2025年11月5日、赤門の改修工事が始まった。工事は27年9月30日までを予定する。基礎診断で耐震性能の低さが判明したため、赤門は21年から閉鎖されていた。27年は東大の創立150周年・赤門の創建から200年に当たる。
今回の耐震工事では①既存の瓦をはがし、内部の土の除去による軽量化、②門の柱脚地下におもりの設置、③柱の補強、④門両脇の番所の耐震化──を行う。外観に極力変更が生じないように工夫するとしている。工事に当たっては赤門と番所、周囲の塀を全て覆う形で足場が組まれると見られる。

東大は昨年10月に赤門の修繕のため寄付金を集める「ひらけ!赤門プロジェクト」を始動した。寄付金は目標10億円のところ、約4億円(11月5日現在)が集まっている。寄付金額に応じ、赤門周辺の環境を整備する。発掘調査で明らかになった加賀藩邸と中山道を隔てた石組みの遺構を生かし、1910年建造でレンガ造りのコミュニケーションセンターと一体的となった展示空間の構築も目指す。
赤門は国の重要文化財に登録されている。1827年に江戸幕府第11代将軍徳川家斉の娘・溶姫が加賀藩主・前田斉泰へ輿入れする際に造られた朱塗りの薬医門の形式で、大名屋敷の門としては、唐破風(からはふ)屋根の番所を二つ備えた最高格式のもの。

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