ラクロス部男子(関東学生1部リーグ)は10月28日、決勝トーナメント1回戦を成蹊大学と戦い、4─3で勝利した。思うように得点できなかった東大は2─3で迎えた試合終了間際、矢野皓大選手(法・4年)のゴールで同点に追い付く。先に1点を取ったチームが勝つサドンデス方式の延長戦で、矢野選手が今度は決勝点を挙げた。次は11月10日、決勝戦を早稲田大学と戦う。
東 大|1002|001|4
成蹊大|0120|000|3
得点者:間野弘暉選手(第1Q)、成田悠馬選手(第4Q)、矢野皓大選手(第4Q、延長戦第3ピリオド)
東大は開始3分、間野選手(文Ⅱ・2年)が快足を飛ばしてまだ足が温まらない相手守備陣の間を切り裂き、ジャンピングシュートで先制点を挙げる。しかしこの後が全く続かない。守備陣のチェックやゴーリー大嶋省吾選手(育・4年)の好セーブなどでボールを奪っても、パスミスや反則ですぐにボールを手放し、第2クオーター(Q)のシュートはわずか2本。初めて決勝トーナメントに進んだ成蹊大相手に防戦一方となり、第2Q18分に同点ゴールを許す。さらに第3Q終了間際にも立て続けに2点を失い、突き放される。
しかし「しっかり準備してきたので必ず勝てるという自負があった」と佐藤隼主将(育・4年)。第4Q7分、反則で相手守備陣が1人少ない中で成田選手(農・3年)がようやくゴールをこじ開け、1点差とする。徐々に時間が少なくなる中相手はボールをゆっくり保持するが、ディフェンスの佐藤主将は「反撃のリスクを背負ってまであわててボールを取りに行くのではなく、失点だけはしないようにして攻撃にボールをつなぐことを意識した」。残り1分で怒涛の攻撃に転じ、2本のシュートを外すも、最後は矢野選手が得意の左サイドからゴールを決め、同点。土壇場で追い付き、勝負はサドンデス方式の延長戦にもつれ込む。
ここで勝負を決めたのは、今季を通じて大事な場面で得点を挙げてきた矢野選手だった。いつもとは逆の右サイドでボールを受けると、フィジカルで相手守備陣を押しのけながらゴール前へ前進。混戦の中放ったシュートはネットを揺らし、東大を決勝へと導く劇的なゴールとなった。
(児玉祐基)
◇佐藤主将の話
──今の気持ちは
正直かなりヒヤヒヤした展開だったが、ほっとした。自分の中では「いつも通りの力を出せば必ず勝てる」と自負していた。勝つべくして勝てたと思う。
──自負はどこから来るのか
普段の練習、練習試合で見せるラクロスの質から。ただいつも通りの力がなかなか出せずに苦労した。
──なかなか点が取れなかった攻撃陣をどう見ていたのか
かなり苦しくて明治大学戦(3─3で引き分け)と似たような展開になったが、先ほどの通り、どこか安心感はあり、オフェンスを信じていた。
──大嶋選手が今日もビッグセーブを連発した
普段からあれを見ているので感覚がおかしくなっている部分もある(笑)。でもあいつがいるから自信持ってディフェンスをやれるので、助けられている。
──決勝戦へ意気込みを
ようやくスタートラインに立てたという思いが強い。楽しんで勝ちに行く。
◇矢野選手の話
──今の気持ちは
ほっとしている。ただ、想定より苦戦した。前半、ポジショニングが少しずつずれてオフェンスがどんどん悪い方向に向かっていたが、後半は少しは修正できてよかった。
──終盤、どういう思いで攻撃していた
自分が決めようという思いだった。打てる場面なら打つ。明治大学戦では自分で決められなくて引き分け、後悔していた。それ以降、自分で決めるという姿勢を意識している。
──決勝戦へ意気込みを
昨年はプレーオフに行けなくて、その前は決勝で負けて。1年生のときは決勝トーナメント1回戦で負けて。日本一になれていないので、しっかり勝って、今年の東大はやっぱり強かったということを周りに見せたい。
◇大嶋選手の話
──ビッグセーブを連発した
日頃の練習の成果だと思う。偶然の産物ではなく、今までの積み重ねを出せた。
──日頃の練習では何を意識しているか
とにかく1球1球集中している。1回1回のシュートに本気で取り組むことを意識してやっている。
──苦戦する攻撃陣をゴールポストからどのように見ていたか
オフェンスは俺にはどうにもできないから、とにかく自分の仕事をするだけ。「何やってんだよ」って思ってイライラして自分のリズムが崩れるのは意味がないから、自分のプレーをしよう、とだけ考えていた。
──決勝戦へ意気込みを
今日出た課題をつぶして、いい勝負をして勝てるようにしっかり準備をする。