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2022年4月4日

【キャンパスのひと】地に足つけて事業を伸ばす 森祐太さん (農・4年 *学年は2021年度のもの)

東北の高校生向けにイノベーションワークショップを実施した(写真は森さん提供)

 

 今回のキャンパスのひとは、以前取材した森下瑠里花さんからの紹介です。

 

 駒場時代からビジネスに熱中。19歳で初めて起業しweb系の事業に取り組んだが、初挑戦で手が回らないことも多く畳むことになった。

 

 「日本の林業は採算が取れない」。農学部森林環境資源科学専修へ進学したのは成り行きだというが、学ぶうちに問題意識も芽生えた。「地形が急峻(きゅうしゅん)で切り出しづらく伐倒コストが高くつきます。林業従事者は年々減っており、管理が行き届かない林が荒れていっているのが現状です」

 

 同時に再考させられたのはビジネスへの自分の態度。一度目の事業を振り返る中で、社会的価値を軽んじてもうける姿勢に疑問を持ちはじめた。初めから多額の投資を受けるやり方より、じわじわと信用を積み上げる方が良い。その考えで2020年に立ち上げたのがTsuzucleだ。デジタルマーケティングを専門とするが、マーケティング後、実際に受注が増えた際の対応など、責任感のあるアフターケアも売りにしている。

 

 収益から年間100万円を林業業界に寄付している。業界内の信用を積みつつ、持続的な林業のための構想を練る。「木を証券化するんです」。木は指数関数的に資源価値が増す。証券化で価値を可視化すれば取引に伐倒が不要で、人間の寿命をはるかに超えた年数での育成を目指せる。「事業も森も、じわじわ育てていこうと思います」【広】

 

【記事修正】2022年4月4日午後8時6分 誤字を修正しました。

【記事修正】2022年4月6日午後9時57分 森さんの学年について、タイトルの「(農・4年)」を「(農・4年) *学年は2021年度のもの)」と修正しました。

 

【森下さんの記事はこちら】

【キャンパスのひと】二つの大学で得る学び  森下瑠里花さん(情報学環教育部研究生2年目、自治会長)

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