就活

2022年2月9日

進学選択から博士のキャリアまで 東大キャリアサポート室を活用しよう

 

 東大生に向けたワークショップ実施やインターン情報の発信など、就活を行う上で役立つサービスを提供している東大キャリアサポート室。サービスの内容や東大生から寄せられるキャリアの悩みについて取材すると、進学選択から博士課程のキャリア相談にまで対応するというサービスの手広さがうかがえた。(取材・渡辺明日翔)

 

キャリアサポート室の特徴とサービス

 

──キャリアサポート室が提供するサービスとは

 

 もともとサービスの中心は個人のキャリア相談でしたが、次第に卒業生の名簿の提供や合同企業説明会といったイベントも開催するようになりました。2020年からは新型コロナウイルス感染症の流行もあり、全てのサービスをオンライン化し現在に至っています。

 

──大学内の他のキャリア支援窓口との違いは

 

 キャリアサポート室が05年に設立された背景には学生のキャリア形成の悩みに対応する事務が部局ごとに細分化していたことがあります。部局を問わず全学生に向けた、いわば「セーフティーネット」を提供するために設立されました。

 

──学部や研究科を横断する点にキャリアサポート室の特徴があるのですね

 

 所属だけでなく、就活市場の変化により利用する学生の学年もさまざまです。「キャリア」という言葉が示すように、民間企業への就職だけでなく、公務員採用や修士・博士課程への進学、進学選択の相談にも応じているため、学部1年生から博士課程まで留学生を含む幅広い層の学生が利用しています。

 

──進学選択の相談まで対応しているのですね。新型コロナウイルス感染症の流行によりサークルなどを通じた上の学年とのつながりが薄くなったとも指摘される現在、1年生や2年生には貴重だと思います

 

 その点ではオンライン化によって駒場や柏など、キャリアサポート室のある本郷以外のキャンパスの学生もサービスが利用しやすくなりました。新型コロナウイルス感染症の流行によって日本に入国できない中、国外に住んでいる留学生がオンラインでキャリアサポート室を利用し日本企業への就活をしたというケースもあります。

 

3月には23年卒業・修了の学生を対象に合同企業説明会を開催予定。申し込みは2月1日から受け付けている

 

東大生のキャリアFAQ

 

──東大生から多く寄せられる悩みは

 

 大学生にある程度共通の悩みと東大生特有の悩みがあります。前者では「やりたいことが見つからない」「何から就活を始めれば良いか分からない」といった悩みが多く、後者では「周りの優秀な東大生と自分を比較し、自分の強みが分からなくなる」「東大生『らしい』就職先が期待される」という、周囲との競争や家族からの期待が重荷だというケースが多いですね。

 

──それぞれの悩みにはどう回答できるでしょうか

 

 「やりたいこと」は学生が既に知っていることの中からしか見つかりませんから、やりたいことを見つけるにはまず自分が社会について知っている領域を広げることが重要です。そしてさまざまな仕事を知る上で自分が良いと思ったことを掘り下げていくことで何をやりたいのかが少しずつ見えていくと思います。

 

 ですから「何から就活を始めるべきか」という悩みも、まず社会や仕事を知ることからといえます。そこで見えてくる自分の軸を大事にして進路を選ぶということは東大生に特有の、就職先に関する悩みにも適用できます。

 

 また周囲との比較ですが、優秀な周囲と自分を比較することは決して必要ではなく、むしろ多くの企業が知りたいのは学生がどういう人か、特長は何か、という点です。

 

──社会と自己双方の理解を深めることが大切ですね

 

 そのために社会について知ることに役立つ卒業生の座談会や合同企業説明会、自己理解を深めることに役立つ相談といったサービスを用意しています。

 

──文系と理系、学部生と大学院生の悩みの違いは

 

 これまで話した点は学生一般に共通していますが、それぞれに特有の悩みもあります。例えば大学院生や理系の学生からは自分の専門を生かしたキャリアを形成したいという悩み、大学と企業のどちらで研究をするのか、あるいは研究から離れるかという悩みも寄せられます。

 

──どのような回答ができるのでしょうか

 

 進路は最終的には学生自身が決定することですが、学生の知識が限られているという点からのアドバイスはあります。一つは学生が想定していない領域でも研究が評価されることがあるということ、もう一つは専門性や知識だけでなく研究や学生生活で得られた経験も評価されるということです。

 

──新型コロナウイルス感染症流行の就活への影響は

 

 一番大きく変わったのは選考で、オンライン化が急速に進み動画選考なども増えました。以前よりも多くの企業を同時に、またどこからでも受けやすくなった一方、説明会や面接で実際に企業を訪れる機会が減り、会社の雰囲気をつかみにくくなったことはデメリットといえます。

 

──東大生に向けキャリア形成のアドバイスを

 

 東大入学も就職も人生のゴールではありません。就活だけではなく5年、10年先のキャリアについてぼんやりとでもいいので駒場にいる間から想像すると同時に、対象が何であれ、何かに一生懸命打ち込んでください。そうすれば、自分の個性や可能性が見えてくると思います。

 

 また、現在一部の業界では就活の早期化の傾向があります。就活をされる皆さんは今後の動向に注意しながら情報収集に努めてください。

 

キャリアサポート室のサービスはウェブサイトを通じて予約可能
koushi-thumb-300xauto-242

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る