キャンパスライフ

2020年12月31日

【激動の2020年をどう切り抜けた?】東大新聞年末座談会

 新型コロナウイルスの大流行により世界中が混乱と変革に迫られた2020年。100周年を迎えた東京大学新聞社も大きな変化を迫られる年になりました。年末企画としてオンライン座談会を開催し、編集部員が今年1年の東大新聞での活動や大学生活を振り返りました。

 

参加者

 

文科Ⅱ類1年。今秋入部の新入部員。学術面、デジタル事業部所属。(司会)

 
 

文科Ⅲ類2年。週刊『東京大学新聞』編集長。教育学部の教育実践・政策学コースに進学予定。

 
 

理科Ⅱ類2年。東大新聞オンライン編集長。

 
 

法学部3年。現役東大生が作る東大受験本『東大2021 東大/主義』編集長。

 
 

教養学部3年。東大新聞ではマネージャーを務める。

 
 

文学部3年。週刊『東京大学新聞』副編集長。

 
 

文科Ⅰ類2年。週刊『東京大学新聞』副編集長。

 

 

新型コロナと東大新聞

 

2020年は東大新聞100周年の記念すべき年でした。東大新聞としても大きな出来事があったかと思いますが、新型コロナウイルス流行の影響が何よりも大きかったと思います。僕は1年生なのであまり知らないのですが、社の業務はどのように変わりました?

 
 

今まで紙面の発行作業は対面だったけど、3月末からオンライン主体になったよね。

 
 

そうですね。流行拡大に伴う東大の動きが盛んだった2月末から4月ごろにかけては「東大新聞オンライン」や公式Twitterアカウントでの報道を盛んに行っていました。現在に至るまで全ての東大構成員にとって未体験の出来事の連続ですが、もともと東大新聞はオンライン主体の報道を目指していたので、良い契機にもなったと思います。

 
 

キャンパスの閉鎖によって本郷にある編集部が使えなくなってしまったときはオンラインのみで業務ができたんですか?

 
 

なんとかなりました。要因としては、社会人スタッフの存在や数十人規模の編集部員など、人的リソースの豊富さが挙げられますね。他の大学新聞でスケジュール通りに発行できたというところは聞いたことがないですし。

 
 

すごい。何か他には流行がきっかけで始めたことはありますか?

 
 

僕は『東大2021』(注:東大新聞が毎年制作している受験生向けの書籍)の編集長だったので、こんな状況の中リモートだからこそコミュニケーションを緊密にとろうと思って、今年から週1回の編集会議をzoomで行っていました。ただ、どうしてもリモートなのでコミュニケーション不足は否めないというか、僕以外はみんなカメラオフだったし。副編集長だった友清くんには、あれはホントにつけて欲しかったなー。

 
 

いやー、すいません(笑)。

 

 

今年、印象に残っている記事は?

 

みなさん今年自分が書いた記事や携わった記事で印象に残っているものはありますか?

 
 

個別の記事ではないですが、総長選考関連の報道が印象に残っています。これまでの取材や9月以降の混乱を経て、現在の東大が極めて重要な転換点にあるということを目の当たりにするとともに、その実態が学生をはじめとする東大構成員にあまりに知られていないと痛感しました。「誰かが悪者」「いわくつきのスキャンダル」という話ではなく、東大や大学の未来を考える上で極めて重要な問題であり、一記者、一学生として時間をかけてじっくりと考えていきたいです。

 
 

総長選考の時はみんな速報出すために編集部に詰めてたよね。とても緊張感があった。

 
 

『東大2021』に掲載した熊谷晋一郎准教授(先端科学技術研究センター)のインタビュー記事ですね。当事者研究の第一人者である熊谷准教授は、脳性まひという障害を持って生まれた経験から東大のバリアフリー支援室の室長も兼任されています。オンライン授業になったことで身体に障害を持つ学生にはどのような問題が生じたのか、東大憲章がうたう「多様性」の理念にはどのような意味があるのか、じっくりお話を伺うことができました。

 
 

それと、少し前に書いたもので言えば、井上達夫名誉教授(法学政治学研究科)の退職記念インタビューも自信作です。ちょうど取材直後に日本でも急激な感染拡大が起こったので、井上名誉教授にコロナ問題についての考察を追記していただけないかとお願いしたところ、年度末のお忙しい時期にもかかわらず原稿に1万字を超える加筆をしてくださいました。本当に感謝しています。

 
 

僕は、コロナ禍で、2月末から3月上旬にかけて起きた、トイレットペーパーの買い占めの社会心理的メカニズムを取り上げた記事ですね。社会心理学的なアプローチの他に、SNS分析の結果も取材したんですが、面白かったのは、実際には「コロナのせいでトイレットペーパーが消える」というデマはなく、「そういったデマがある」というデマが拡散されたことが原因だったということ。社会心理学とネットワーク分析を掛け合わせた研究をしたいと思っているので、個人的にとても良いきっかけになったかな。長廣さんはどうですか?

 
 

コロナの影響で例年通りの新歓が出来なかったサークルの窮状を取り上げた記事です。東大新聞も参加した合同新歓の運営、体験練習会やライブなど対面での新歓が不可欠な運動部や音楽系サークル、また今年実際にイレギュラーな新歓を経験して入るサークルを決めた新入生に話を聞きました。

 
 

新入部員が減ってしまった団体もあれば、むしろ新たな試みにより急増した団体もあり、秋新歓やコロナが落ち着いた後にも利用できる新たな発見もあったようでした。反省点は色々とありますが学生に寄り添い、声を聞けた点で東大新聞らしい記事になったなと思いました。

 

 

コロナによって変化した学生生活

 

東大新聞からは少し離れて、今年新型コロナの流行によって皆さんの大学生活にはどのような変化がありましたか?

 
 

僕は決まっていた留学が中止になってしまったのが痛かったですね。7月上旬までは留学再開を期待していましたが、コロナの収束が見通せず中止になってしまったので急いで就活モードに切り替えました。

 
 

ただ、オンライン授業のおかげで移動時間を気にせずに本郷キャンパスの授業を受けられたのはよかったです。駒場キャンパスを本拠地とする学生にとっては、学びの幅を広げる思いがけないきっかけになりました。必ずしも教室に行かなくてよい授業であれば、今後もオンラインで受講したいです。

 
 

西岡くんは1年生だけど、大学生活はどうでした?

 
 

そうですね、僕は1Sセメスターと1Aセメスターで全く違う生活を経験しました。1Sの頃は大学の友達もできず、ひたすら授業と課題と春から始めたアルバイトだけをしている生活でした。ある意味感覚がまひしていて、あまりその生活を辛く思いませんでした。しかし、夏休みの終わりにクラスで五月祭に参加したの皮切りに、1Aの対面授業やサークル活動などで人と会う機会も一気に増えましたね。大学生活ってこんな楽しいものなんだということを知りました。今思い返せば1Sはあの短調な生活をよく乗り切ったと思っています(笑)。

 
 

僕はSセメスターはずっと佐賀の実家にいました。コロナの影響で外出できず、ずっと実家にいたおかげで勉強にとても集中できました。結果的に、進学選択で希望の学科に入れて良かったです。

 
 

進学先の学科が全てオンライン授業で、一回も同学科の人と会えていないのがとても残念ですが、全てオンラインであることを利用して11月から縁あって静岡の企業の居住スペースに住んでいます。1年前は、まさか自分が静岡に住んで大学の授業を受けることになるとは夢にも思わなかったです。中村くんはどう?

 
 

キャンパスに行く機会が減ってしまったのは残念でした。ただ、法学部では大人数でも双方向型の授業が可能になった他、一部の授業で録音がアップロードされるようになったのは学習の面でとても良かったと思います。

 
 

3年生になり研究室に配属されましたが研究室へは行けず、同期や先輩、先生との研究室での交流を楽しみにしていましたが満足にできていません。卒論の準備や大学院進学について情報交換やアドバイスを気軽に得ることができず、困っています。

 
 

勉強や学問は対話の中で深い理解や新たな発見が生まれると最近感じています。その意味では、キャンパスに行けない弊害はとても大きいですよね。

 

 

2021年に向けて

 

来年への意気込みはどうですか?

 
 

新型コロナウイルス感染症の流行や総長選考の混乱を経て、東大の報道機関として果たさなければならない役割がより明確になった気がします。まずは学内外の多様なステークホルダーに寄り添うこと。そして権力を監視し、読者に議論の話題を提供すること。これらを通して東大の構成員にとってより価値のある媒体となることを目指します。

 
 

せっかくオンラインという場があるので、挑戦的なメディア表現の場として活用していきたいですね。

 
 

紙面が月刊タブロイド版に変更されるあたって、社内の仕組みが変わってくるので、整えていきたいです。

 
 

タブロイド化にあたって記事の性質や作業の内容が変わらざるを得ないので、頑張っていきたいです。一方で自分の時間も大事にしたいです。

 
 

タブロイド化しても変わらない裏方の仕事を全うしたいです。残すところ大きな坂は卒論のみなので、たっぷり時間を使ってモノになる論文を書きたいです。

 
 

ついに卒業が間近になりました。僕は研究者志望なので、自分の研究内容と関連ある記事を書いていきたいですね。

 
 

秋に入部した1年生ということでまだ記事の執筆や社の業務で、未熟なところや知らないことがたくさんあるので、来年は成長の1年にしたいです。また、今年よりも自由に使える時間が長くなるので、東大新聞での活動のみならず、大学生活思いっきり楽しみたいです!

 

 

 2020年、東大新聞をご愛読いただきありがとうございました。来年も努力を重ね、躍進の年にしたいと思っておりますので今後ともよろしくお願いいたします。それでは良いお年を。

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