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2018年7月20日

英語民間試験の利用方法を3案提示 認定試験利用方針を再び転換

 石井洋二郎理事・副学長を座長とする学内のワーキング・グループは14日、大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる「大学入学共通テスト」で利用される英語民間試験の利用方法として3つの案を発表した。そのうち、最も優先順位の高い案で、出願に当たって成績提出を求めない方針を明らかにした。福田裕穂理事・副学長は3月10日の記者会見で、民間試験を合否判定に用いないと明言したが、4月27日には一転利用する方針を発表していた。今回の発表は学内全体の方針を定めたものではないものの、入試監理委員長を務める総長の要求による検討の結果であり、学内全体の方針に影響を与えることが予想される。

 

 3つの案のうち、優先順位が一番高い案として「出願にあたって認定試験の成績提出を求めない」が提示された。文書では、東京大学憲章の基本理念である「東京大学で学ぶに相応(ふさわ)しい資質を有するすべての者に門戸を開く」という方針を引用。英語民間試験による評価基準を採用すると、英語の成績のみで優秀な学生を排除しかねず、憲章の精神に合致しないとした。

 

 優先順位が2番目の案は、文部科学省など関係機関から納得のいく説明を受けた場合にのみ認定試験の利用方法を再考するというもの。文書では、文科省によって学習指導要領と民間試験の整合性の説明が十分になされていないことや、各民間試験間でスピーキングテストに大きな違いがあること、異なる試験の結果を一律に点数換算することに対する不公平さを指摘。文科省に公平・公正の観点からの説明を求めている。

 

 優先順位が3番目の案は、原則「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」で6段階中下から2番目に当たるA2レベル、頻出の表現などを理解し日常会話が可能な水準以上の結果を出願資格とするというもの。この案は国立大学協会のこれまでの審議を踏まえたもので、入試の結果を左右する点数としての利用ではなく、あくまで出願資格としての利用にとどめるとした。

 

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