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2023年3月26日

日本学士院賞決定 東大関係者は工学系研究科・医学系研究科の教授ら6人

 日本学士院は3月13日、学術上で特に優れた研究業績をたたえる日本学士院賞の受賞者11人を発表した。東大関係者は6人が選出された。

 

 幾原雄一教授、柴田直哉教授(ともに東大大学院工学系研究科)は界面(結晶同士の境界)の原子構造・電子状態を定量・解析する手法を確立して世界最高の分解能を実現するなど、走査透過電子顕微鏡による計測の高度化を達成。界面原子・電子の状態と機能特性の相関の解明をはじめとする革新的な成果を上げたことが評価された。ナノスケールの界面を扱う工学の研究の基盤となり、新材料の創出が期待される。

 

 中村泰信教授(東大大学院工学系研究科)は蔡兆申教授(東京理科大学、理化学研究所量子コンピュータ研究センター)とともに超伝導物質からなる回路を用いて「量子ビット」を実現。量子ビットは情報の基本単位のビットとして用いられる「0」と「1」の重ね合わせ(0と1のどちらか確定できない)状態のこと。量子情報処理の高度化に向けて注目される超伝導量子ビットの状態を制御する手法を発展させた。超伝導量子コンピューターの性能向上や研究の進展に対する貢献が認められた。従来の量子系に超伝導量子ビットを取り入れたハイブリッド量子系の研究などでも卓越した成果を上げている。

 

 狩野方伸教授(東大大学院医学系研究科)は発達期に「シナプス刈り込み」という機能効率の高い神経回路ができ上がる仕組みを解明した。発達期の小脳の登上線維とプルキンエ細胞の間のシナプス刈り込みの神経活動に応じた調節機構をモデルに明らかにした。また、脳に存在する内因性カンナビノイド(体内で産出されるマリファナ類似物質)が通常のシナプス伝達と逆向きに情報を伝えることを発見。興奮性シナプスだけでなく抑制性シナプスにも長期シナプス可塑性(長時間にわたり興奮の伝わりやすさの程度が変化する現象)が生じることも明らかにし、神経科学の発展に多大な貢献をした。

 

 このほか東大名誉教授2人が受賞。篠崎和子名誉教授は篠崎一雄特別教授(名古屋大学)との共同研究「植物の環境ストレス応答と耐性獲得に関する制御ネットワークの研究」の成果を、長澤寛道名誉教授は「バイオミネラリゼーションの制御機構に関する生物有機化学的研究」の成果をそれぞれ賞された。

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