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2016年5月26日

身近な話題から政治へ 東京大学新聞社主催五月祭イベント「7月の選挙の話をしよう」

左から順に民進党の柿沢議員と自民党の小林議員、慶大学生の古井さんが登壇=15日、本郷キャンパスで(撮影・横井一隆)
左から順に民進党の柿沢議員と自民党の小林議員、慶大学生の古井さんが登壇=15日、本郷キャンパスで(撮影・横井一隆)

 

 18歳への選挙権年齢引き下げに際し、東京大学新聞社は五月祭2日目の15日、現役政治家や政治系団体の学生で大学教育と奨学金など学生に身近な話題を議論する「7月の選挙の話をしよう」を主催した。話は若者の政治参加に及び、身近なことから政治を考える重要性が提示された。(取材・太田聡一郎)

 

 本企画に登壇したのは自由民主党の小林史明衆議院議員と、民進党の柿沢未途衆議院議員、慶應義塾大学学生で若者の政治参加促進のため活動するNPO法人「僕らの一歩が日本を変える」票育ディレクターの古井康介さん。政治政策の立案コンテストを開催するサークル「GEIL」副代表能智敬之さん(文Ⅰ・2年)も、議論を始める前にテーマに関する近年の状況を解説し問題を提起するため参加した。

 現代に求められる大学教育は何かという能智さんの課題提示を受けて柿沢議員は「経済的理由で教育を受けられず、経済的困窮から抜け出せないという格差社会の固定化を問い直したい」と民進党の方針を説明。小林議員も「大学で努力したら社会で活躍できる、そういう大学教育を目指す」と自民党の目標を述べた。両議員の目標に対し、古井さんは「そんないいことがどうして実現しないのか」と学生視点の素朴な質問を提示。「いくら大人が大学のカリキュラムを改革しても、僕たちは大学入試を重視せざるを得ない。学生は蚊帳の外な気がする」と若者が議論に追い付いていない現状を指摘した。

 奨学金については、能智さんが国の財源不足などの課題を指摘。小林議員は限られた財源の中で援助の必要な学生を見つけるためにマイナンバーを活用すると述べた。一方柿沢議員は「教育は将来への投資だから予算を前借りしてもいいと思うが、国の借金が増えているため国民に納得してもらうのは大変」と合意形成の難しさを語った。

 古井さんは「『奨学金を充実してほしい』という学生の意思表明がないため重要な課題と認識されていないのでは」と指摘。話題が若者の政治参加へと移ると、柿沢議員は「この部屋寒くない?」と一言。来場者の賛成を得て冷房の温度を下げさせ「おかしいと思ったことに声を上げ、賛同者を得て変えることが政治です」と政治のプロセスを実演してみせた。小林議員も「ルールの中でうまく生きるだけでなく、ルールは変えることができるという認識が大切」と意識の切り替えを促した。

 両議員とも「学生が会いたいと言えば大企業の社長も国会議員も会う。学生の特権を生かして声を上げてほしい」と主体的な政治参加の重要性を強調。7月の参議院選挙に向け、身近な「政治」から有権者の自覚を育てることが第一だという内容でまとまった。

 


 この記事は、2016年5月24日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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