
東大本郷キャンパスの正門が12月17日から23日まで紫色にライトアップされている。ジェンダーに基づくハラスメントや暴力の防止を目指す、Safer Campus at UTokyo Projectの一環。
昨年4月には多様性包摂センター(IncluDE)が発足。今年5月には藤井輝夫総長が「これまで以上に襟を正して、力強くDEIの推進を行う」とDEI推進を宣言した。今回は、正門のライトアップを通じて、ジェンダー平等やハラスメント・暴力の根絶の重要性を発信する。17日に開かれた点灯式で総長は、ライトアップを通じて学内外に理念を共有し、行動につなげる契機としたいと述べた。
東大は22年に東京大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言を採択。同年に女性リーダー育成に向けた施策「UTokyo 男女⁺協働改革 #WeChange」を開始し、目標Ⅰとして教職員や学生を含む構成員全員の意識改革に取り組んできた。本年度の全教職員研修でも、誰もが過ごしやすい環境を実現するため、心理的安全性がテーマとされた。すでに受講率は8割近くだという。総合図書館3階では、ジェンダー関連書籍の展示が1月末まで行われる。
ライトアップは、女性に対する暴力撤廃のシンボル・パープルリボンにちなんだ内閣府のキャンペーン「パープルライトアップ」に賛同したもの。IncluDEによると、都内の大学では初めての参加だ。

左から、藤井輝夫総長、相原博昭理事・副学長、林香里理事・副学長、石井リーサ明理さん(撮影・溝口慶)
デザインした石井リーサ明理さん(96年大学院総合文化研究科修士課程修了)は点灯式にも登壇。大学らしい気品のある「心に響く紫」を1%単位で調節し、門柱の柱だけでなく梁(はり)まで照らす「心をつなぐ光」で「心に残る光」を表現したと話した。石井さんは過去に、駒場Ⅰキャンパスの21KOMCEEや柏キャンパスのカブリ数物連携宇宙研究機構研究棟の照明も手掛けている。










