就活

2023年7月14日

【官庁訪問2023】東大出身者が語る 国家公務員の仕事 ③警察庁

 

 毎年多くの東大生が受験する国家公務員採用総合職試験。国家公務員を志す学生にはもちろん、まだ進路に悩んでいる人にとっても国家公務員自らが語る職務の実情やその素直な感想は参考になるだろう。東大出身者に、現在の省庁を選んだ経緯や担当する業務内容、就活生へのメッセージを聞いた。

(構成・小原優輝、取材・葉いずみ、執筆・大須賀華)

 

警察庁 出会いと縁を大切に

 

 警察庁に興味を持ち始めたのは中学2年生のとき。警察庁に勤める卒業生の講演を聞いて「仕事の楽しさを生き生きと話しており印象的」だったという。東大入学後は馬術部の活動に打ち込んだ。馬の餌代などの資金を稼ぐため、遠方の乗馬クラブで泊まり込みバイトをすることも。見知らぬ土地で自分の役割を見出し全うした経験は、異動によりさまざまな職務を経験する警察庁の仕事に通じていると話す。

 

 就活は、国家公務員を視野に入れながらも、商社など民間企業を含め幅広く行った。警察庁の説明会に参加した際、職員の人柄に魅力を感じ、3年次の2月に国家公務員試験の勉強を開始。並行して民間企業の就活も続けたが、試験後に再び参加した説明会で「この人たちと働きたい」と思い、警察庁に決めた。

 

 入庁後、4カ月間警察大学校で研修。8月から1年間兵庫県警察で勤務し、特殊詐欺のかけ子のアジト摘発など捜査実務の経験を積んだ。19年7月に警察庁へ戻り、警備局警備企画課や交通局交通企画課自動運転企画室で、行政官としての基礎を学んだ。自動運転企画室では、道路交通法の改正に携わり「従来の道路交通法では想定していなかった無人自動運転について、新たに交通ルールを整備しました。まだ見ぬ未来をイメージして制度設計をするのは非常に大変でしたが、行政官として制度設計に携わる醍醐味(だいごみ)を感じました」と語る。昨年春からは1年間、板橋区の警視庁志村警察署で、初めて10人ほどの部下を持ち、特殊詐欺の捜査指揮に当たった。「偶然ですが、再び携わりたいと考えていた特殊詐欺対策の仕事ができました」。今年3月からは現職の人事課で、採用広報活動を担っている。異動のスパンや異動先は一律に決まっているわけではなく、個人のキャリアプランに応じて決まるという。

 

 警察庁の魅力の一つとして、留学の自由度を挙げる。「自分の関心に基づいて自由に留学を選択できます」。キャリア形成における強みを留学で育み、その後の大使館勤務などに生かしている職員も多いという。

 

 警察庁に向いているのは「人との縁を大切にできる人」。ドラマでは、警察庁はトップダウンで都道府県警察に対してドライであるように描かれがちだが、実際は警察庁と都道府県警察は支え合いの関係にある。Aさん自身、警察庁に帰任してからも、都道府県警察で一緒に働いていた職員や各都道府県警察から出向している職員の助けを借りることが多いという。

 

 仕事を辞めたいと思ったことは一度もないと断言するAさん。将来の目標は「これまでお世話になった各都道府県警察で活躍されている方々に恩返ししながら、国民の安全安心を守ること」だと話す。

 

 学生に対して「国ならではの多様で面白い仕事ができます。国家公務員のブラックなイメージにとらわれず、積極的に目指してほしいです」と背中を押した。

 

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