部活・サークル

2024年1月4日

【東大新聞部員にはこんな一面も】〜運動会軟式野球部編〜

 

 

 東大新聞には、さまざまな個性・経歴を持った部員がいる。ここでは特に、他の部活・サークルと兼部している部員や、東大新聞に入部する以前に、他の部活・サークルを経験していた部員に焦点を当て、そうした部員の他の一面や他部活の特色を読み解く。記念すべき第1回となる今回は、軟式野球部を引退し、4年になってから東大新聞に入部した部員が、軟式野球部の様子を紹介する。(構成・横山秀太)

 

東京大学運動会軟式野球部とは

 

 駒場Iキャンパスの野球場で活動する軟式野球部。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学の各軟式野球部とともに東京六大学軟式野球連盟に所属しており、春・秋に開催される六大学リーグ戦に向け、 練習に励んでいる。普段の練習は週に3回、午前中に行われるため、午後の時間は自由に使うことができる。また、部員には軟式野球だけでなく硬式野球の経験者も多く、出身地も首都圏から地方までさまざまだ。

 

 大学野球と聞くと硬式野球のイメージが強いかもしれない。だが、軟式野球には軟式野球なりの面白さがある。 硬式野球との違いは主に二つ。ゴム製のボールを使用することと、「ビヨンド」と呼ばれる高反発バットが用いられることだ。使用する道具が異なれば、戦術も異なってくる。例えば、軟式ボールの良く弾む特性を生かし、 打球を高く弾ませて、走者を進める「叩き」と呼ばれる戦術がある。軟式ボールは軟らかいため、バットに当たる際に潰れやすく、遠くに飛ばすのが難しい。そうした特性を逆手に取った醍醐味が、軟式野球にはある。

 

軟式野球部を選んだ理由

 

 一つ目は、学業やアルバイトと両立しながら部活動に参加できると考えたからだ。週3回という活動日数や、 駒場Iキャンパスに練習場所がある点に魅力を感じた。 2限に授業がある人は後片付けなどが免除され、1限に授業がある場合でも、練習を途中で抜けることが可能となっている。

 

 二つ目は、部の雰囲気が良かったからだ。各学年10人前後が在籍し、4年生が引退するまでは、部全体で40人前後となる。コーチや監督を含め全ての役職を学生が担うため、一人一人の意見が反映されやすい。先輩・ 後輩の間に厳しい上下関係などは存在せず、練習後のグラウンド整備なども全員で行う。自由参加である場合が多いサークルとは異なり、毎回部員全員が顔をあわせて練習できるという点も、部活ならではだと感じた。

 

部のフレンドリーな雰囲気がにじみ出る

 

実際に軟式野球部に所属してみて

 

 今年の秋に東大新聞に入部した私が、軟式野球部を選んだのは1年生の秋。新型コロナウイルス感染症の影響などにより新歓活動の時期を逃し、Aセメスターが始まった頃に体験練習に参加した。その前後で、ソフトボール部や野球サークルなども見学していたが、同じクラスの1人が先に入部していたことや、体験練習で先輩に優しく接してもらったことなどもあり、最終的に軟式野球部に入部することを決めた。 

 

 当時はオンライン授業が中心の生活であったが、大学の授業と部活との両立は簡単ではなかった。1年生は、翌年の進学選択に向けて勉強も進めなくてはいけない時期。2年生から3年生にかけては、後期課程で進学する学部での勉強も始まってくる。特に3年生のSセメスターでは多くの必修授業が入り、春季リーグ戦に参加できず、練習を早抜けしなければいけないことも多くなり、 モチベーションを維持するのも難しかった。

 

 そうしているうちに先輩が引退し、最高学年に。3年生の秋には練習試合やリーグ戦でもチームに貢献できないまま冬を迎えてしまった。そうした中、自分にとって大きな転機となったのは、春に宮崎で行った合宿だった。例年は、年に2度実施する合宿だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、入部してからこれまで一度も実施できずにいた。最初で最後となった宮崎合宿では、午前も午後も野球の練習に取り組む。午前練習が始まる前にも、グラウンドに早めに行き、ティーバッティングをするなど、多くの時間を野球に割くことができた。

 

試合にて。力を入れてきた打撃練習の成果を発揮できるか

 

 部活に割ける時間が多くなると、その分モチベーションも上がった。最後の春季リーグ戦に向けては、代打・代走でチームに貢献できるよう、守備練習よりも打撃練習に重点を置いた。 

 

 春休み以降は、授業がない分、全体練習後も残ってバッティング練習をしたり、トレーニングルームでトレーニングをしたりすることができた。こうして春季リーグ戦を迎えたが、まさかの連敗続き。個人としてもチームに貢献できるようなプレーができなかった。 

 

 そして、1勝もできないまま迎えた最終戦。序盤、相手に先制を許すも、中盤に逆転。そのまま逃げ切り、最終戦を見事勝利で飾ることができた。チームとしての力は昨季と比べ確実に高まっていたものの、これまでなかなか勝ち切れない試合が続いていた。そうした中、ようやく手にした勝利は、何ものにも代え難い、貴重な体験となった。軟式野球部での生活は、順風満帆というわけにはいかなかったが、この部活で最後まで野球を続けることができ、本当に良かったと感じることができた。 

 

春季リーグ戦最終戦勝利が決まり喜びを爆発させる選手たち
勝利した試合の寄稿原稿を作成したのも軟式野球部に在籍していたころの記者だった

 

 引退後は、元々東大新聞へ試合記事の寄稿をしていたこともあり、東大新聞へ入部。スポーツ取材をする部門に所属し、硬式野球部の試合記事を執筆したり撮影を担当したりしている。舞台は軟式から硬式へと変わったが、「六大学野球」とのつながりは依然として健在だ。今回は軟式野球部の紹介となったが、とにかくさまざまな部活・サークルを見てみることをおすすめしたい。

 

【練習日】

原則週3日

月水土・火金土のローテーション

 

【活動時間】

平日 午前7時30分から午前10時30分

休日 午前8時から午前0時30分

※休日には練習試合が入る場合あり。

※授業に出席するため早抜けすることも可能。

 

【練習場所】

東京大学駒場Iキャンパス野球場

※井の頭恩賜公園や赤塚公園などで練習試合を行う場合あり。

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