進学選択

2023年6月16日

各学部4年生に聞く 後期学生生活紹介(法学部・経済学部・文学部編)

 

 6月から手続きが始まる進学選択。後期課程のイメージができず、志望先を決めかねている2年生も多いだろう。本企画では各学部の4年生に取材。後期課程進学後の生活や進学先の特徴について語ってもらった。受験生や1年生にも役立つ内容だ。4年生が経験した3S1タームと3A1タームの時間割や本年度の進学選択手続きの日程も掲載している。志望先決定の一助としてほしい。(構成・石川結衣、天川瑞月、取材・高倉仁美、清水央太郎、宮川理芳、谷口藍子、堀添秀太、青木佑磨、中村祐貴、阿部孝太郎、本田舞花、新内智之、岡部義文)

 

文III→法学部第2類

 

学んだことを現実の事柄に結び付けていく喜び

 

中島丈(なかじま・じょう)さん

 

 進学選択において「文系の学部はほぼ全部候補だった」中島さん。結果的には、2年次に持ち出し科目を多く履修したことが法学部への進学の決め手となった。

 

 魅力は教員陣の「癖の強さ」。研究者としての意識が強いためか「授業の進め方や話し方、振る舞いにそれぞれの先生の個性が現れます」と楽しそうに話す。

 

 平常授業時の課題がほぼなく、成績は試験一発勝負で決まる法学部。このため、学生の間では勉強の進め方が二極化しやすい。俗にいう「楽単」は比較的少ないが、授業より司法予備試験の対策などを優先し、シケプリや授業の書き起こしを生かして試験対策をする人もいる。「ペーパー試験を通じてある程度知識が付いてきたら、現実の訴訟や事件と知識を結び付けて理解でき、より楽しめる」「リサーチペイパーを履修すると学問的アウトプットができる」というのが、中島さんの考える法学部の勉強の魅力だ。

 

 法学部では少人数の授業が少なく、自然と知り合いができることはない。が、このように「法学部砂漠」の印象と違わないからこそ、人間関係の形成に対して意識的な人が多い側面も。「頑張れば比較的つながりを見出しやすい学部だと感じます」。法学部生のみで構成され、それぞれ100人以上が所属する学生団体やサークルは関係性作りに一役買っているという。

 

 多くの法学部生は3年次への進学時点で進路が固まっているが、後期課程で勉強していくうちに志望が変わることは珍しくないという。法学部は法曹・国家公務員総合職・民間企業のいずれかを志望する学生が大半だ。中島さん自身も現在は法曹を目指しているが、他の進路にも魅力を感じていると語った。

 

 

文II→経済学部経済学科

 

社会の課題解決に生きる経済学

 

 経済学部を志したのは高34月。経済学部への進学を念頭に文IIを受験した。

 

 文IIから経済学部への底点はあまり高くないため、成績を気にせず興味に沿った履修をしたという。印象に残ったのは「現代経済理論」。経済学部の教員が自身の研究内容をオムニバス形式で発表していく当科目は、準必修科目の「経済I」に比べ経済学が社会にどう生かされるかがイメージしやすかった。「女性の社会進出や少子化などのテーマを扱った労働経済の回が特に興味深かったです」と振り返る。

 

 経済学部は経済学科、経営学科、金融学科の3学科から成り、進学決定後の2年次の秋に学科選択を行う。最も人数が多いのは経済学科で、堀江さんもその一人だ。「友人も多く、幅広い内容を学べそうだったので選択しました」。学科間の大きな違いは18単位以上の選択必修の内容。「正直、経営学科の選択必修の方が興味深いと感じることもありました。事前に選択必修科目を見ておくのもおすすめです」

 

 経済学部に進学後、交流の中心となるのはゼミ。堀江さんはマクロ経済学系のゼミに所属し、4月からはゼミ長も務めている。活動内容は論文紹介とテキストの輪読。教員も積極的に議論に参加するのが所属ゼミ独自の良さだと語る。ゼミ長としては議論のファシリテーターを果たすとともに、コロナ禍の影響で減りつつある学年間の交流を復活させていくのが目標だ。

 

 卒業後はほとんどの学部生が一般企業に就職。多くは3年生の6月に選考が解禁されるサマーインターンに照準を合わせる。最近の人気業界として挙げたのは、コンサルティング、デベロッパー、金融の三つ。堀江さん自身はIT業界への就職を予定している。

 

 

文III→文学部人文学科社会学専修課程

 

何でもできるからこそテーマを明確に

 

松島龍宏(まつしま・たつひろ)さん

 

 「社会が関わっているすべてが対象」の社会学専修で松島さんが専門とするのは、入学前から関心のあったジェンダー論だ。前期教養課程で瀬地山角教授や清水晶子教授(ともに総合文化研究科)、鮎川ぱて講師の授業を受けて研究への意欲が高まった。前者2人の下で学べる教養学部と、同じくジェンダー論も専門の赤川学教授のいる文学部社会学専修とで迷ったが、より関心のあるセクシュアリティの研究をしている赤川教授に学びたいと文学部を選んだ。 

 

 専修の特徴はその自由度の高さだ。教員の専門分野が非常に幅広く、全員が一緒に受ける必修は年に1授業だけ。自然と学生の関心領域も幅広くなる。「同じゼミの授業を受けていても、ケアや障がい者福祉に関心がある人がいたり、住宅社会学を志す人がいたりと本当に人それぞれで、未知の世界が開けて面白いです」。ただ「学科全体の交流は乏しい」といい、興味分野が全く違う人とは同じ専修でも1年間話したこともないと昨年を振り返る。また、教員数に対して学生数が多く、扱うテーマも多岐にわたるため、必ずしも希望する領域がカバーされているわけではない。「分野が近い先生がいるかは調べたほうが良いです」

 

 駒場で受けたジェンダー論の板書が最近ようやく理解できた、ということもしばしば。ジェンダー論のように教員の少ない分野で学びたい前期教養課程の学生には「もっと本を読むこと」を勧める。前提知識があって初めて理解できる学説は多く、自分で入門書や概説書を探して読むことが不可欠だからだ。入門書の末尾にある文献案内から芋づる式に本を探すと良いと話す。

 

 卒業後は就職する人が多いが、自身は研究職を目指すのと並行して教員免許を取得中だ。「人々のジェンダー意識を変えるためには、研究以外の道、つまり教員として高校生に授業をする道もありますから」

 

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