9月5日、6日に、埼玉県の戸田ボートコースで第52回全日本大学ローイング選手権大会と第65回オックスフォード盾レガッタが行われた。東大漕艇部はこの2日間で、1人が左右1本ずつのオールでこぐシングルスカルと1人が1本のオールでこぐペア(2人こぎ)、フォア(4人こぎ)、エイト(8人こぎ)に参加。5日に行われた女子シングルスカルは着順3位でC決勝進出を決めたが、男子シングルスカルと男子エイトは勝利に届かなかった。翌6日には女子シングルスカルはC決勝で着順1位を記録し、女子ペアと男子エイトは着順4位でB決勝、男子フォアは着順3位でA決勝進出を決めた。
なお、本大会の決勝はA・B・Cに分かれて行われる。準決勝に進んだクルーは、上位ならA、下位ならBへ。準決勝に届かなかった場合でも、成績上位であればCに進む。(取材、撮影・宇城謙人、木下太陽)

5日、東大の選手が最初に出場したのは女子シングルスカル準々決勝。1レーンで出漕した「鈴蘭」はスタートで出遅れ4位。しかし次第に盛り返し、3位の成城大学を抜いて先頭2人に迫る。最後はスパートをかけるも、2位の滋賀大学を追い越せず、3着に終わった。準決勝進出は果たせなかったが、C決勝進出を決めた。
続く種目は男子シングルスカル準々決勝。5レーンから怒濤(どとう)のスタートダッシュで加速した「魁」は、250メートル付近では2位に肉薄する。だが300メートル付近でバランスを崩し落水。無情にも後続に次々と抜かれていった。それでも自力で艇に戻り、最後までオールをこぎ続けてフィニッシュ。転覆のアクシデントに見舞われながらも完漕した。
プログラムはオックスフォード盾男子エイト敗者復活戦へ。「淡青」「天寵」「三四郎」の3組が準決勝進出をかけてそれぞれのレースに挑んだ。
2レーンで出漕した「淡青」は好調なスタートを切り、先頭に。その後、後続の東北大学との差を保ちつつ先頭をこぎ続けるが1300メートル付近で東北大学が加速。「淡青」は追い越されてしまう。「淡青」は最後まで東北大学に食らいついたが、遂に追い越すことはできず2位に。準決勝進出にあと一歩及ばなかった。
3レーンで出漕した「天寵」は序盤で後手に回り3位。前を走る関西大学と関西学院大学に引き離されながらも粘り強く追ったが、差を縮められずに3位でフィニッシュ。準決勝進出はかなわなかった。
4レーンで出漕した「三四郎」は序盤から苦しい展開で、大阪工業大学に次ぐ4位。その後「三四郎」は引き離されまいと懸命にこぎ進めるが、徐々に差は広がっていく。力強いこぎを見せてくれたが、4位でフィニッシュし、準決勝への壁を越えられなかった。
翌6日は女子シングルスカルC決勝から始まった。1レーンで出漕した「鈴蘭」は序盤3位とやや後手に回るも、粘り強く先頭に食らいつき中盤で差を縮める。1000メートル付近でトップの富山国際大学と並ぶと、1250メートルで逆転。その後は快走を見せ、後続を大きく突き放して1着でフィニッシュした。
続いて女子ペア準決勝。女子部主将の梶谷知歩(工・4年)は「最後の大会なので、この部で培ったすべてを自分の漕ぎに詰め込んで表現して終わりたい」と意気込んだ。「山茶花」のペアで力を合わせて1レーンからスタートすると、前半は先頭の2組を追う展開で3位に。1250メートル付近では早稲田大学に抜かれ4位となるが、最後まで粘り強くこぎ切り4着に。B決勝に駒を進めた。
続く種目は男子フォア準決勝。男子部主将の永田能義(法・4年)は「メリハリのあるこぎと日々の練習での声出しで作り上げる迫力のある試合」に向けて張り切った。3レーンから出漕した「滔天」は序盤から3位を維持。強豪・日本体育大学、日本大学と激しく競り合う展開となったが、粘り強くこぎ続け、最終的に3着でフィニッシュ。A決勝進出を決め、意気込み通りの「迫力ある試合」で観客を魅了した。
6日の最後を締めくくったのは男子エイト準決勝。男子部副将の田中康誠(工・4年)は「仲間が全力でサポートしてくれるので、レースはただ楽しむことに集中する」と試合前に語った。強豪校相手にチャレンジャーとして挑んだ試合では、「大志Ⅱ」は2レーンで出漕。序盤は後手に回りながらも果敢に追走し、750メートルで昨年4位の明治大学を追い越して3位に。しかし1000メートル付近で再び追い抜かれ、東大は全力で追うも逆転ならず4着でフィニッシュ。惜しくもA決勝には及ばなかったが、B決勝進出を果たした。
今大会では残念ながら勝利に届かなかった試合もあったが、選手は最後まで力強くこぎ切り、観客に迫力ある試合を披露した。東大漕艇部のさらなる飛躍を期待したい。