COLUMN 2020年4月2日

【新入生に読んでもらいたい記事選】最先端の理系研究をひもとく

 東大新聞では多くの科学技術研究に関する話題を扱ってきた。小さな粘菌から探る生命の普遍性から、最先端の重力波望遠鏡が解明を目指す宇宙誕生の謎まで。

 

 学生記者が普段講義を受けている教員の研究者としての半生に迫ったり、実際に望遠鏡のある現地を訪れたり。今回は6つの記事を取り上げる。


 東大の研究室に記者が訪問し、最先端の研究現場や研究者の半生に迫るシリーズ【研究室散歩】。澤井哲教授(総合文化研究科)は、細胞性粘菌に注目し、実験と理論の両面から細胞の集団運動を研究している。学生時代に物理学を学んでいた澤井教授が生物に興味をもったきっかけは、人間である自分自身と物理学との間のギャップだった。数学や物理学を駆使して生命現象の理解を目指す試みは必見。(【研究室散歩】@生物物理学 澤井哲教授 粘菌から迫る生命の普遍性)

【研究室散歩】@生物物理学 澤井哲教授 粘菌から迫る生命の普遍性

 

 大学院修了後数年の若手研究者に進路決定の経緯や研究の現況を聞くシリーズ【New Generation】。石川理絵助教(農学生命科学研究科)はPTSD(心的外傷後ストレス障害)による恐怖記憶を脳が克服し制御する仕組みを神経科学の観点から研究してきた。学部では就活して企業から内定も得るなど、進路に揺れ動いてきた経験から学生に送るエールに励まされる。(【NEW GENERATION】 神経科学 石川理絵助教)

【NEW GENERATION】 神経科学 石川理絵助教

 

 【研究室散歩】で訪れた清水明教授(総合文化研究科)は電子や光子の振る舞いを記述する「量子論」に基づき、非常に多数の原子などからなる「マクロ量子系」を研究している。清水教授が面白いと思える研究テーマに出会えたのは、意外にも就職してから。根本的な論理構造の理解を、という学部生向け教科書の執筆者としての思いは、大学での勉強の指針にもなる。(【研究室散歩】@量子論 清水明教授 就職してから見つけた研究テーマ 量子の世界)

【研究室散歩】@量子論 清水明教授 就職してから見つけた研究テーマ 量子の世界

 

 SFの題材としても多く登場し、実社会でも今後更に役割を増すと考えられるロボット。シリーズ【WHO, ROBOT】ではロボットの歴史を振り返りながら、最先端の研究者に話を聞き、今後のロボットの在り方を探る。第1回では、SF作家のアイザック・アシモフがロボットが守るべき原則として示した「ロボット工学三原則」をキーワードに、ロボットの研究開発を進める中村仁彦教授(情報理工学系研究科)に聞いた。話は「ロボット工学三原則」からロボットの自我や意識へと向かった。

(【WHO, ROBOT①】ロボットと人の役割分担明確に ~東大教授と迫る「ロボット工学三原則」~)

【WHO, ROBOT①】ロボットと人の役割分担明確に ~東大教授と迫る「ロボット工学三原則」~

 

 再び【研究室散歩】から吉田亮教授(工学系研究科)。吉田教授は生体の心筋のように自律的に拍動し、一定環境下で周期的な動きをする「自励振動ゲル」を実現した。「研究を通して芸術家のように自己表現ができるところにやりがいを感じますね」という研究者としての美学は必読。(【研究室散歩】@高分子ゲル 吉田亮教授 研究の根本は「美」)

【研究室散歩】@高分子ゲル 吉田亮教授 研究の根本は「美」

 

 ひんやりとしたトンネルを歩いた先に現れたのは検出器を備えた巨大な空間、レーザーが走る3kmにも及ぶダクト。地下にあるこの施設は重力波望遠鏡KAGRA。重力波の観測により宇宙誕生の謎に迫ることが期待されている。本格稼働を前に、一般に立ち入ることのできない施設内を学生記者が徹底取材して写真特集。先輩の大学院生が建設に貢献する姿からは、大学での学びが最先端の研究に直結していることも実感できる。

(重力波望遠鏡KAGRA本格稼働へ 世界水準の観測精度に期待)

重力波望遠鏡KAGRA本格稼働へ 世界水準の観測精度に期待


編集部から新入生へのメッセージ

 

 文系的と思われがちな東大新聞ですが、多くの理系学生が自然科学系の話題を企画、取材し記事にしています。特に最先端の研究には学内外から多くの関心が寄せられ、記事を公開する度に注目の高さを実感しています。

 

 研究の一端に取材で触れることは、思いもしなかった新たな分野に気付かされる刺激的で挑戦的な取り組みです。自らの関心をもとに、面白いと思える記事を書きたい方をお待ちしています。

東大新聞の新歓情報は

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