東大先端科学技術研究センター(先端研)と東大未来ビジョン研究センター(IFI)は3月21 日、フィリピン共和国農業省砂糖統制庁 (SRA)と国際交流協定を締結した。砂糖生産や、先進技術を用いたサトウキビ関連ライフサイクル(生産から加工・販売を経て、廃棄・再利用に至るまでの過程)の実証に関する学術研究で連携する。
フィリピンで砂糖産業を所掌する政府機関であるSRAは砂糖生産に関する研究開発部門を持つ。東大にはライフサイクルアセスメント(ライフサイクル全体での環境負荷の評価)に関する豊富な知見があり、今回の連携で実践的なデータの研究への活用が期待される。
先端研やIFIは東大の未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構に参画し、学際的協力を通じた温室効果ガス排出ゼロと循環型経済の確立を目指す。サトウキビは石油資源に代わる注目のバイオマス資源。先端研では、種子島産サトウキビの搾りかすなどを用いた新規バイオ燃料の製造と発電利用に成功した。IFIは種子島で、サトウキビ産業を基盤とする地域循環型社会の確立を目指し、GX(グリーン・トランスフォーメーション)技術の社会実装を進める。
SRAの代表団は連携締結ののち、種子島でサトウキビ農園の見学などを行った。