学術ニュース

2018年1月20日

伊藤啓准教授らが新型点字ブロックを開発 視認性と景観を両立 車輪の通過も容易に

 伊藤啓准教授(分子細胞生物学研究所)らは12月22日、視認性・景観との調和・車輪の通過しやすさが並立した点字ブロックを開発したと発表した。今春より実際に発売される。

 

写真は伊藤准教授提供

 

 点字ブロックは弱視者のために濃い黄色が望ましいとされる。しかし建築家らが景観を重視し、景観と調和しにくい濃い黄色を避ける結果、舗装の色と近く視認性の低いブロックが設置されることが増えていた。

 

 今回は建築家の隅研吾教授(工学系研究科)や弱視者延べ100人らの協力の下、さまざまな色のブロックを用いて視認性と景観への調和を検証。1年間路面に埋め込み、太陽光や風雨で退色したブロックでも検証した結果、一定の淡さの黄色は景観と調和しやすく、従来の濃い黄色とほぼ同等かそれ以上の視認性を持つことがわかった。

 

 さらに従来のブロックの突起が車椅子やベビーカーの利用者の不快感の原因になっていたことから、突起を検知可能な高さに維持しつつ、角に丸みを持たせることで衝撃を抑える形状にした。ブロック上のライン状突起間の平坦部(=写真参照)を、車椅子やベビーカーの車輪が収まる幅に広げることで、段差なしでの通行も可能になった。

 

 多様な施工条件に対応するため、開発したブロックは複数メーカーの協力の下、タイル製や樹脂製など複数の材質で展開される。


この記事は、2018年1月16日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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