授業

2024年3月21日

履修はどうやって決める? 科類別履修例を紹介!(理Ⅱ・理Ⅲ編)

 

 東大の特色の一つは教養学部前期課程のリベラルアーツ教育にあるだろう。分野を横断し、文理に関わらず履修科目を選べる。一方で膨大にある履修科目の中からどのように選べば良いのか迷う人も少なくない。そこで各科類の東大生の履修例を紹介する。(1Sは1年Sセメスター、1Aは1年Aセメスターを意味する。セメスターは4ヶ月単位の授業期間。時間割は全て1Sのもの)(構成・峯﨑皓大、取材・岡部義文)

 

理Ⅱ×主題科目重視 キャップ制の対象外 集中講義を多数履修

 

 1Sでは、自分のキャパシティがよく分からないこともあり、あまり詰め込まずに履修を組みました。授業に関する情報も多くなかったため、選択科目では多くの人が履修する「基礎化学」を選択。大学の化学の内容を大まかに学習する授業です。教員の話が面白く、化学がより好きになりました。学んだ知識は1Aの必修「構造化学」に生かせたので良かったです。一方、大変だったのは「英語上級」。文化地理学に関する文献を読み発表を行う授業で、地理が好きだったこともあり履修しました。英語は得意な方だったのですが、受講者は英語を流ちょうに話せる人が多く、レベルが高かったです。最終課題のレポートが「英語二列W(ALESS)」と重なって大変でした。この反省を踏まえて、1Aではレポートより試験で評価が決まる科目を多く選択しました。

 

 昨年8月に東大のプログラムに参加してタイを訪れたこともあり、国際開発と伝統の保全の問題を扱う1Aの「現代国際社会論」が面白かったです。来年からは1年間タイに留学する予定ですので、2Sでは「タイ語初級」も履修しようと考えています。

 

 1Aでは興味のある主題科目をなるべく履修し、計13単位を履修しました。主題科目のうち、土日や長期休暇期間に行われる集中講義は履修登録より前に募集が行われることがあるので注意が必要です。基礎的な内容が多い前期教養課程の他の授業と比べ、集中講義は実際の研究に近い内容を学べるのでおすすめです。キャップ制(一つのセメスターで履修できる単位数に上限がある制度)の対象外なので、たくさん受講して損はありません。後期課程では薬学部への進学を考えていますが、前期教養課程では将来の専門にかかわらず興味のある授業を幅広く受けようと思っています。

 

 

理Ⅲ×興味重視 評判を気にせず 興味のある授業受けて

 

 高校1年生の頃に医者の道を志して理科III類に進学しました。1Sセメスター開始時点ではまだサークル・部活を決めていなかったので、学業を優先して授業を取れるだけ取ることに。理科III類は医学部への進学に必要な点数がそこまで高くないため、成績評価の厳しさや方法は気にせず、面白そうな授業を履修しました。

 

 1Sセメスターの主題科目「Medical Biology入門」は、医学に関するオムニバス講義。有名な先生も多く、東大医学部の特色が知れて良かったです。「初年次ゼミナール理科」では、医科学研究所を見学するコースを選択。東大は前期教養課程がある分、医学の専門教育の開始が遅いのですが、選択科目や初年次ゼミナールで医学系の授業を受けることができました。

 

 週2~3回の部活と休日のバイトで予習・復習に割く時間は多くありませんでしたが、通学や授業前の隙間時間で勉強しました。空きコマは、「英語二列W」など課題や予習の多い科目の勉強に活用。真面目に勉強する人が多いクラスだったので、クラスメイトと一緒に勉強しました。

 

 面白かった授業は、1Aセメスターの「科学史」や「国際関係論」などの文系科目の授業。歴史学など、背景が複雑で1冊の本では勉強しづらい科目の授業は、独学では得られない学びがあると思います。一方、高校で、ある程度勉強した理系科目や概要をつかみたい分野は独学で進めるようにしています。

 

 大学では勉強以外のことも大事と言われますが、ある程度勉強することも重要です。大学で初めて習う分野の学習は大変ですが、つらいと思いながらコツコツ勉強することが自分の為になります。成績評価に関する評判は気にせず、面白いと感じた授業を履修してください。

 

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