スポーツニュース

2017年12月4日

アメフト 最終戦敗れ4位で閉幕 4連勝後に3連敗でチャレンジマッチならず

 アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグBIG8)は12月3日、チャレンジマッチ進出を懸けたリーグ戦最終戦を横浜国立大学とアミノバイタルフィールドで戦い、7―19で敗れた。東大は初戦から4連勝スタートで昨年度に続いてのチャレンジマッチ進出が期待されたが、あと一歩及ばず今季を終えた。

 

今季リーグ戦全試合を終え、選手たちは観客にあいさつをした(撮影・小田泰成)

 

東 大|0700|7

横国大|12070|19

 

 勝ったチームがチャレンジマッチ進出を決めるBIG8今季最後の大一番。先制点を取りたい東大はパスの割合を上げて攻めるも、大きな前進ができない。守備ではビッグゲインを許さないものの、短いパスにランを絡めて早めに攻撃を開始する横国大に徐々に押され、最後は7ヤードのパスでTDを奪われる。さらにその直後にファンブルで横国大に攻撃権を与えると、またも短いTDパスを決められて追加点を失う。

 

ファンブルで攻撃権を相手に奪われうなだれる東大の選手たちと、喜ぶ横国大の選手たち(撮影・小田泰成)

 

 東大の反撃はここから。自陣29ヤードまで進めたところで、プレー開始直後に深澤隆一郎選手(工・3年)に短いパスが通ると、タックルをかわして独走状態に。そのまま71ヤードを走ってTDとし、点差を5点に縮める。しかし前半終了間際、タイムアウトを使いながら攻めて中央へのパスを通すもファンブルし、横国大にボールを奪われる。このピンチは池内俊貴選手(文Ⅱ・2年)のインターセプトでしのぐも、もう一度攻める時間は残されておらず5―12で前半を終える。

 

5点差に詰め寄るTDを決めた深澤龍一郎選手(右) (撮影・小田泰成)

 

 横国大は後半開始直後、短いパスとランを交えた攻撃で敵陣に入る。勢いよく助走をつけて走り込む選手を東大は全く止められず、最後はクオーターバック自ら走ってTD。何とか追いすがりたい東大だが、攻撃権を奪った直後にインターセプトを喫する、攻撃権を更新するパスを続けて成功させながら反則で大きく後退するなど、ミスが響いて得点を挙げることができない。横国大もフィールドゴールを2回失敗するなど盤石ではなかったが、攻撃力の差を覆せずそのまま敗れた。

 

 勝てばチャレンジマッチ進出となる1戦に敗れ、4勝3敗の勝ち点12で4位に終わった東大。全勝した昨季と比べて、攻守ともに勝負どころで力を出し切れなかった。秋から主力を担った現2年生を中心に、来季こそは初のTOP8昇格を果たしたい。

 

※順位が同じチームが複数存在する場合、該当するチーム間の勝ち点で順位を決定 ※2位以上はTOP8とのチャレンジマッチ、5位以下は2部との入れ替え戦に進出

 

(文・竹内暉英)

 

◇森清之ヘッドコーチの話

 

――今の感想をお聞かせください

 すごく残念ですね。今シーズンの結果というのは、今の僕らの力の結果で、運や巡り合わせが悪かったのではなく力が足りなかったからこういう結果に終わったと。その責任は僕にあるかなと思います。

 

――今日の試合については

 ミスはあったが、向こうにもあった。順当な力の差があったが、それでも勝つチャンスはあり、それをつかみ取れなかった。1本(TDを)取った後、自分たちでチャンスを作れなかったということでしょう。

 

――今年からヘッドコーチになったが、1年間率いてどうだったか

 努力の度合い、フットボールへの取り組み方、スキルやフィジカルなど、選手たちの水準を上げることを考えてやってきた。BIG8のレベルで他と比べるという物差しを変えないと上には上がれないというつもりでやってきたが、結果的には1年かけても変えることはできなかった。それは元を正せば意識の問題が大きくて、勝ちたいとか日本一になりたいと言っていても、自分たちがどうすれば届くのか想像ができないレベルだったということ。

 

――東大は今まで見てきたチームの中でレベルが低いチームだと思う(注:森ヘッドコーチは京都大学の守備コーディネーターを経た後、Xリーグの鹿島ディアーズ(当時)や日本代表のヘッドコーチを歴任)が、その中で気を付けたことは

 腹八分目でやるということ。僕の中で十のことをやると選手のレベルを超えすぎて体や心を壊す危険もあったので、少し水準を落として我慢するということを意識していました。かといって練習の質を低くすると意識は変わらないので、どうアプローチするかは毎日葛藤しています。

 

――以前コーチをしていた京大との違いを感じることはあるか

 当時の京大は、日本一を目指して実際に日本一にもなっているチーム。今の東大は、その域には全然届いていないと思います。それでも、ルールが怪しくてまともな試合にならなかった春と比べたら雲泥の差。今日も春は試合に出ていなかった2年生がたくさん出場していて、彼らなりにはものすごく成長しているんですが、しょせんBIG8の水準で、後はそこから脱却できるかどうかというところです。

 

――来季以降の課題は

 特別なことをするのではなく、意識を変える努力をずっと続けていく必要がある。今やっていることが悪いわけではなく、今年と同じことをやって変わるかもしれない。意識は簡単には変わらないが、変わるとなったらすぐに変わると思う。

 

――来季以降に向けての手応えは

 1年かけて良くなってはいるが、時間はかかると思う。今年1年やりながら来年どうするか考えていることがあるので、一つずつやっていく。(来季について)現3年生は最後の1年なので頑張るでしょうが、今年試合に出ていた2年生がどれだけ高い水準で物事を考えられるかが鍵になると思う。まだ手をつけていないことはいっぱいあるので、京大時代の経験なども参考にしながら具体的に取り組んでいきたい。

 

◇遠藤翔主将(経・4年)の話

 

――今の感想をお聞かせください

 もう2週間プレーするつもりでいたが……。何か一つのプレーで負けたとかではなく、この1年間の取り組みや総力の差が出た。

 

――今季チームを率いた感想は

 監督・ヘッドコーチの交代でチームが新体制になり、これまでよりも良い環境で練習してこれた。特に森ヘッドコーチは、今まで「伝統」とされてきながらも非合理的な習慣を「おかしい」と指摘するなど「自分の頭で考える」ことを強調していた。昨年までは4年生やコーチの指示を徹底することで強くなろうとしていたが、今年は極力ルールを減らした。「勝つ」という目標が本当に共有されていれば、そこへのアプローチは一人一人違っても自然と規律が生まれるはずだったが、そうならなかったのは自分の責任。

 

――来年の選手たちに期待することは

 下級生の時から試合に出るなど、今の1~3年生には高いポテンシャルを持っている選手が多い。僕たちが果たせなかった目標を果たしてほしい。

 

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