SPORTS 2016年6月30日

今季3勝、硬式野球部躍進の秘密と課題は?【打撃編】

打撃だけでなく走塁も光った桐生選手
打撃だけでなく走塁も光った桐生選手

 

 「今年の東大は何かが違う」。今春、硬式野球部(東京六大学野球)の試合を見に行った人なら、きっとこう思ったことだろう。昨年ようやく4年半ぶりの勝利を遂げたかと思えば、今春はリーグ優勝の明治大学からも1勝を挙げるなど12年ぶりの3勝を果たした。投打でどこに成長が見られたのか、分析する。(取材・竹内暉英)

 

上位打線が好調

 浜田監督が目指してきたのは「4―3で勝つ野球」。まずは守備を改善し、昨年は春・秋共に失策を1桁に抑えた。この成果もあって昨秋は3失点以内の試合が3回。しかし4得点以上は2試合と打線がカバーできず1勝にとどまっていた。
 13試合中5試合を3失点以内に抑えた今季は、打線の活躍が目を引いた。開幕3試合こそ無得点に終わったものの、その後は打線がつながり4得点以上の試合が5回。チーム打率2割3分3厘は、記録が残っている00年以降では最高だ。チーム全体でこの数字を残せた理由は何だったのか。
 今季一番の成長を遂げたのは、東大で12年ぶりのベストナインに選ばれた桐生祥汰選手(経・4年)だ。昨年まで打席に立ったのはわずか1回。今季も開幕戦はベンチスタートだったが「途中出場して無死一、二塁の場面でバスターし、気合で一塁に飛び込んだ時にスイッチが入った」と、2試合目以降は安打を量産した。「マークが甘かったから打てた」と謙遜しつつも、長打3本を含む14安打、リーグトップタイの7盗塁などで1番打者の役割を果たした。
 4番に座った田口耕蔵選手(育・3年)も高打率をマーク。昨年までは守備が課題で先発出場はなかったが、183センチ ・93キロの体格から想像できる通りのパワーヒッターで、昨秋唯一の安打は本塁打と打撃力には定評があった。今季は「三振を恐れてフルスイングできなかった」と長打は少なかったが、勝負所でしぶとい打撃を見せチームトップの9打点。来季の目標は「3本塁打」と頼もしい。
 自己最高の打率を記録した喜入友浩選手(育・4年)は「オープン戦がどん底でそれ以下はないと割り切って打席に入った」、けがで規定打席数には未到達ながら打率3割越えの楠田創選手(育・3年)は「打席に立てるだけでうれしかった」と、この2人は欲張らない姿勢が好成績につながった様子。打てる選手が増えて「つなげば後ろが得点してくれる」という意識が生まれ、3カード目以降の8試合では山田大成選手(育・3年)、主将の山本克志選手(工・4年)が共に打率を3割に載せた。力のある選手が気負わずプレーできたことが打率向上の要因といえる。
 それでも、チーム得点29は六大学で断トツの最下位。打率がほぼ同じ早稲田大学は44得点、立教大学は53得点(共に13試合)と水をあけられている。山本主将はこの理由について「下位打線が打てなかった」と話す。実際、ここに挙げた6人を除いたチーム打率は1割6分。2年生以下で打てる選手が少なく、上位打線がつくった好機でもう1本が出なかった。浜田監督は長打力と好機での勝負勘に差があるとし、「食べて振って走り込む」「実戦を増やす」ことを目指すという。
 チームの今年の目標は「勝ち点を取って最下位脱出」。連敗中は「勝ち点3」を目標としていたこともあったが、今は「達成可能な目標をクリアしていく」(山本主将)方針を取っている。1勝という悲願を果たし、勝利に何が必要か明確になってきた硬式野球部。来季の勝ち点も最下位脱出も、不可能な目標ではない。

 

今季3勝、硬式野球部躍進の秘密と課題は?【投手編】

 


 この記事は、2016年6月28日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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企画:宮台投手の力投に攻撃応えた 今季3勝 硬式野球部躍進の秘密と課題
研究室散歩@都市交通計画 原田昇教授(工学系研究科)
連載小説:『猫と戦争と時計台』㉝
ひとこまの世界:日本橋で七福神巡り
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