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2017年1月17日

東大生のプライドの根源とは? 工学部が講演会を実施

多くの学生・教職員が参加し、佐々木教授の 話に耳を傾けた(写真は工学部学務課提供)
多くの学生・教職員が参加し、佐々木教授の話に耳を傾けた(写真は工学部学務課提供)

 

 工学系研究科・工学部は12月20日、モラル、マナーの欠如・学歴差別・女性蔑視の問題と人々の尊厳と人権について深く考えてもらうことを目的に、工学系研究科・工学部の学生・教職員を対象に「東大生のプライドの根っこを考える」と題した「倫理に関する講演会」を開催した。講演は学生相談ネットワーク本部企画室副室長の佐々木司教授(教育学研究科)を講師に、参加者に疑問を投げ掛けつつ、自分の考えと気持ちを振り返ってもらう形で進められた。

 

 講演をこのような形で行った理由は、ただ「ハラスメントはいけない」「女性蔑視はいけない」といった当たり前の題目を羅列しても効果はないと考えられたためだという。講演を通じて佐々木教授は、自分達のプライドの根源を出発点に、他者への敬意、弱者への思いやりなど、社会を構成する多様な人々へ尊重すべき理由を考えるよう促した。

 

 佐々木教授は「東大の学生は多くの恵まれた能力・環境を与えられていることをまず自覚してほしい」と強調。さらに「単に恵まれているというだけでなく、それを皆に還元することにこそプライドの根源はあるべき」と呼び掛けた。その上で「自分が属する集団にしか考えが及ばず、広い視野での『社会』を見失ってはいけない」と警鐘を鳴らした。

 

 工学部学務課は東京大学新聞社の取材に対し「一方的な講演ではなく、参加者に問題を提起し、一緒に考えてもらうことができたという意味で一定の成果はあった」と評価している。

 

 東大では2016年5月に、学生5人が他大学の女子学生に対する強制わいせつの容疑で逮捕される事件が発生。うち3人が有罪判決を受けた。東大は12月7日付で3人の学生を退学、2人の学生を1年間の停学処分としている。

 


この記事は、2017年1月17日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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