スポーツニュース

2015年6月30日

東大ホッケー部女子、初の1部昇格。躍進の理由を部員に聞く

ホッケー部女子(関東学生リーグ2部)は21日、春季リーグ1部2部入れ替え戦で学習院大学を破り、創立6年目で初の1部昇格を決めた。0―0のまま前後半を終えると、シュートアウト(SO)戦で勝負を決めた。

【東京大学新聞社】ホッケー部女子.jpgホッケー試合結果2.png  2部Aプールで過去最高の2位となり、7日には2部Bプール1位の横浜市立大学に勝利し入れ替え戦出場を決めていた東大。1部7位の学習院大との一戦は、互いに相手の堅守に苦しみ、攻め手を欠いた均衡状態が続く。後半終了間際には学習院大にペナルティーコーナーを与えピンチを招いたが、何とか凌いで試合はSO戦へ。SO戦では主将の山口実花選手(医・4年)がゴール。東大はゴールキーパーの田中千尋選手(農・3年)が相手に得点を許さず、勝利を収めた。

ホッケー部女子は13年春季リーグから関東学生リーグ2部に正式に加入し、13年秋季リーグで初勝利を挙げた。現在の4年生が1年生の際に4、5人だった部員数は現在40人近くまで増加。来季は1部残留を目標に強豪校に挑む。

●ホッケー部女子への取材・回答

―創部時には数人だったという部員数は、現時点でどうなっているのでしょうか

現時点で、プレーヤー35人(4年生2人、3年生13人、2年生9人、1年生11人)、マネージャー3人(1~3年で1人ずつ)です。

―今季リーグ戦で過去最高の2位と躍進した要因をどのように分析していますか

まずは「チーム全体が1部昇格という目標に向かって方向性を一つにできたこと」です。4年生の2人がプレーでもそれ以外の面でも3年生以下を引っ張ってくれ、盛り上げてくれました。今年のチームのスローガンは’Believe’ですが「絶対1部に行く、そして私たちなら行ける」という自信を持って試合に臨めたのが大きかったと感じています。また部員数が多いので、ベンチや応援席からの声かけも良い雰囲気作りにつながりました。

「試合中にやるべきことが明確になり、試合時間の70分間の集中力が高まったこと」も大きかったと思います。東大生らしい(?)緻密なビデオ分析を重ね、戦術をみんなで理解し実践しました。「試合」→「反省・課題確認・必要な練習を確認」→「月曜木曜で練習・戦術確認」→「土曜のミーティングと練習で戦術を実践」という良いサイクルができていました。今季は、5月以降ほぼ毎週末に試合があるというかなりきつめのスケジュールでしたが、上記のサイクルでリズムをつかみ、緊張感を途切れさせることなくシーズンを終えられました。また、この部では試合(練習試合も含む)の度に一人一人に試合の反省と1年間の個人目標の達成度を書かせるという仕組みを導入していますが、このおかげで、反省を次に生かして成長につなげ、目の前のことだけでなく高い目標を常に意識しながら日々の練習に臨めていると感じています。

「SO(シュートアウト)戦の重要度に注目し、他のチームよりも練習時間をたくさん割いてきたこと」も勝敗を分ける要因となったと思います。今年から、前半後半で決着がつかなかった場合はSO戦(サッカーでいうPKのようなもの)で決着をつけることになったので、早いうちから練習を重ねていました。実際、2部決勝戦も、1部との入れ替え戦もSO戦にもつれ込みました。2部優勝こそ逃しましたが、SO戦まで行けば勝てるという自信がシーズン終盤の堅守にもつながったと考えています。

最後に「選手交代でレベルが下がらず、むしろ交代を駆使しして2部で最も走れるチームになったこと」。2部で最も走れるチームというのは私たちが目指してきたことの一つです。

―入れ替え戦での勝利を勝ち取った瞬間の率直なお気持ちを教えてください

率直に「嬉しい」です。今の4年生が1年生の時はそもそも部員数が4~5人しかいなかった(ホッケーは11人制スポーツなのでチームが組めませんでした)ので、喜びと感動は計り知れないと思います。主将は「努力は報われるんだ!やっぱりこの部活に入って頑張ってて良かった!」と話していました。

―来季の目標は何でしょうか

「1部校に勝ち、1部に残留すること」です。1部はホッケー女子日本代表を輩出するような強豪校もあり、さらに厳しい舞台で戦うことになりますが、まずは1勝を目指し、これからもチーム一丸となって頑張ります。

(文責 石原祥太郎)

2015年10月21日 12:00 【記事修正】 田中選手の所属を(農・3年)に訂正しました。

この記事は、2015年6月30日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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