COLUMN 2018年1月17日

【世界というキャンパスで】額田裕己さん⑤ コバルトブルーの旅路を行く

 ニュージーランドをバックパック一つで北上する旅は続いている。

 

 世界遺産となっているマウントクック国立公園では登山に挑んだ。とは言っても半袖短パンで踏破できるレベルのトレッキングコースであるが。また、美しい星空で有名なテカポ湖も訪れた。僕が滞在した3日間はいずれも曇天で天体観測はできなかったが、コバルトブルーが美しいテカポ湖を拝むことができた。

 

天体観測で有名なテカポ湖(写真は額田さん提供)

 

 南島で最後に訪れたネイピアは常夏の気候で、雨がほとんど降らず毎日晴れている。寒い山岳地帯を経てこの街に来た僕には天国である。この街で、僕はドイツ人の男女2人組と友達になった。超がつくほどの高身長の男性と、すぐにどこかに消えてしまう自由人女性の2人組である。ホステルで話しかけられたのがきっかけで意気投合し、一緒に街歩きなどしているうちに、もっと遠くへ行こうという話になった。それでやってきたのが南島最北端にあるエイベル・タスマン国立公園である。その多様な生態系と美しい海、トレッキングコースで有名なこの地は、実は語学学校を卒業する時、担任の先生にぜひ行けとオススメされた場所なのだ。トレッキングコースをドイツ人の彼と延々と歩きながら(彼女の方はやはり一人でどこかに行ってしまったので放っておいた)、僕らはいろいろな話をした。ドイツビールのこと、世界情勢のこと、ビールのこと、お互いの文化のこと、ビールのこと(ドイツ人は皆ビールが好きだった)。そうしているうちに山あいの道を抜け、海岸沿いに出た。その海は想像にたがわぬ美しさだった。黄金の砂とコバルトブルーの海、南国のビーチとしてイメージする海まさにそのものである。いつのまにか到着していたドイツ人の彼女とも合流し、僕らはしばらくその景色を満喫した。

 

 ネイピアに戻った僕らは、それぞれの目的地に向かうため別れた。彼らはニュージーランド北島からやってきて、最南端まで行くという。僕と正反対の旅程である。またどこかで会うことを約束し、僕は北島に渡るために、ピクトンという港町に移動してそこからフェリーに乗った。北島と南島の間にはクック海峡が横たわっており、二島間の移動はフェリーか飛行機である。飛行機は使いたくなかった。あくまで陸路を地続きで行くことにこの旅の意味があるように思えた。

 

 鈍行フェリーに揺られて3時間、僕は北島最南端の都市、首都のウェリントンに降り立った。ここはオークランドと並ぶニュージーランドきっての大都会である。オークランドと違うのは、人が少ないところか。閑静で落ち着いた都市である。しかし3、4日と過ごしているうちに、僕はウェリントンに飽きてしまった。都会であるこの街でできることで、東京でできないことはない、そんな気がしてしまったのだ。

 

 そこで僕は早急にウェリントンをたつことにした。行き先はタウポ、以前に僕がここの地域スポーツクラブへの参加を交渉し、快諾をもらった場所である。ここならニュージーランドでしかできない体験ができそうだ。僕はバスを乗り継ぎ、タウポへ向かった。

 

(寄稿)=続く

 

【世界というキャンパスで】額田裕己さ

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 この記事は、2018年1月16日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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世界というキャンパスで:額田裕己さん(文Ⅲ・1年)ニュージーランド編⑤
キャンパスガール:築島綾音さん(文Ⅰ・2年)

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