COLUMN 2019年10月31日

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)東南アジア編② 異国の「洗礼」でびしょびしょに

 【前回までのあらすじ】

 海外でのインターンシップと留学を理由に、1年間大学を休学することを決めた。初めての長期にわたる海外生活を目前に、期待と不安が入り交じる。まずは、日本人女性が起業した会社でのインターンシップのため、カンボジアに向かった。

 カンボジア到着後、最初のミッションは「ビザの取得」。カンボジア滞在にはビザが必要だ。オンラインでも取得可能だが、空港の方が簡単に取れると聞いていたため、現地での取得を選択した。

 

 初めての海外でのビザ取得。緊張しながら申請書を記入し、カウンターに並ぶ。ここで、証明写真の切り忘れに気付く。はさみは機内に持ち込み禁止なので、誰にも借りられない。「これでビザが取れなかったらどうしよう」。冷や汗をかきつつもなるべく丁寧に証明写真を手でちぎり、のりで申請書に貼り付けた。

 

 カウンターの出国管理官はお世辞にもきれいと言えない私の写真を意に介さず、陽気にお金と申請書類を受け取り、雑にスタンプを押していく。並び始めてから30分ほどで無事ビジネスビザを取得できた。

 

 ほっとしながら空港を出ると、これから働く予定の職場の上司が迎えに来てくれていた。「疲れたでしょう」。数時間ぶりに聞いた日本語になんだかとても安心した記憶がある。その後リゾート街シェムリアップでの主な移動手段である三輪タクシー「トゥクトゥク」に乗り込み、滞在先のアパートに向かった。

 

滞在先のアパートからの景色。南国感のある眺めに、異国情緒を感じていた。

 

 私が到着したのは4月14日で、ちょうどカンボジアのお正月である「クメール正月」の初日。クメール正月の特徴は何といっても街中で「水掛け祭り」が行われることだ。空港からトゥクトゥクに乗って移動している間も、車内にいながら何度か水鉄砲で水を掛けられ、私は異国の洗礼を受けた気分になっていた。

 

 到着翌日の夜、上司に誘われ、水掛け祭りの主戦場である、シェムリアップの中心に位置する「パブストリート」という通りに繰り出した。祭りでは、フェイスパウダーを掛けて回る文化もあり、人だかりの中を少し歩くだけで洋服はびしょびしょ、首元が真っ白になった。クメール正月の間は、異文化に触れ、ずっと非日常の中を過ごしているようなふわふわした感覚を味わっていた。

 

シェムリアップの中心街「パブストリート」。

 

 お正月休み明け、ようやく職場での勤務が始まった。現地での私の仕事は、カンボジア地産のハーブを使ったスパの運営やその広報。勤務初日、職場に向かう時間が、カンボジア滞在の中で一番ドキドキしていたことを思い出す。

 

 朝礼が始まり、これから一緒に働くカンボジア人たちと顔を合わせる。職場には英語か日本語、片方でも話せる同僚が数人だけだったので「話し掛けて拒絶されたらどうしよう」という不安があった。しかし、みんな控えめにほほ笑みつつ私のことをすんなりと受け入れてくれたようだったので、 妙に拍子抜けした。

 

 私のインターンシップ先での最初のミッションは、スパのお客様をご案内するゲストリレーションの業務を覚えること。異国の地での新生活が幕を開けた。


この記事は2019年6月11日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

 

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世界というキャンパスで:分部麻里②
サーギル博士と歩く東大キャンパス:②本郷キャンパス三四郎池
ひとこまの世界:駒場の商店街で食べ歩き
キャンパスガール:黒田汐音さん(文Ⅲ・2年)

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