COLUMN 2015年10月18日

面接にのぞむ前に自分の「年表」を書いてみよう 霜田明寛の就活十番勝負15

(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)
(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)

  前回、「自分の変わっているところリスト」の話をしました。これは、学生が面接のときにアピールすべきポイントを見極めるために使うものです。「自分の長所や強み」について考えると、どうしてもありがちな自己アピールになってしまいます。

 面接では、ほかの人とちょっと違うことを話したほうが印象に残るので、こうしたリストが役に立つのです。 このほかにも、私は就活アドバイザーとして、学生に「人生を振り返る年表」を書いてもらいます。

 これは、幼年期、小学校、中学校、高校、大学で何があったのかを綴ってもらうもの。ポイントは、挫折などのつらい体験についても書いてもらうことです。 普通の履歴書には、時系列で、「◯◯高校入学」「××大学入学」などの来歴が書いてあります。これはいわば、「やってきたこと」の歴史です。

 一方で、私がカウンセリングのために知りたいのは、「やりたかったけど、できなかったこと」の歴史。こうした挫折や失敗談こそ、その人らしさがよく伝わるものなのです。 ただ、ネガティブなことはなるべく話したくないという学生はたくさんいます。面接担当者の「いままで経験した挫折について教えてください」という質問について、「どう答えればなるべく失敗のように聞こえないでしょうか」というアドバイスを求めてくる学生もいます。

 だからこそ、このような年表を書いてもらうことで、それまで隠そうとしていた自分の本質的な体験を明らかにしてもらうのです。 ここでは、ある女子大生に書いてもらった年表を紹介しましょう。

幼年期 ごく普通の郊外の街で育つ。

小学校 5年生のとき、弟がいじめられる。学校が責任を認めなかったため、父親が決断して、家族で1年間海外でのキャンプの生活を送る。6年生のときに帰国。真っ黒に日焼けしていた。1年間学校に通わなかったため、勉強がまったくできなくなっていて、くやしくて毎日勉強した。

中学校 地元の中学校に通った。

高 校  興味をもったことは何でもやってみた。引越し屋でバイト、NY旅行、平日に京都ひとり旅。感じたことを書いてみようとブログを開設した。 学校で「100人ドッジボール」「全校宝探し」などみんなで楽しめるイベントを企画。 マスコミへのあこがれから浪人して大学受験することを決意。

浪 人  早朝にバイトしながら予備校に通う。だが志望校に受からず。

大 学 本屋でバイト。映画サークルに所属。上海で2週間語学留学。 中国で2500キロにおよぶバックパッカーの旅に出る。世界最古の麻婆豆腐を食べる。 化粧品会社のインターンで取材やイベントの司会を経験。 おいしいお店を紹介するブログを書き続けていたら、雑誌コラムを書く仕事をもらえる。

 彼女は当初、面接でひとり旅や留学についてアピールしようと考えていました。でも、それではよくあることです。それよりも、彼女が外の世界に興味を持ったのが、小学5年生のときに半強制的に海外に連れていかれたことだということに注目しました。しかもそのきっかけは、弟がいじめられたという体験です。 海外留学したという話だけだったら、ポジティブだけれども深みのない印象だったでしょう。

 でも、その根源には、つらくて、自分の価値観を変えるような出来事が隠されていたのです。そこから話をすることで、自分という人間をもっと立体的に伝えることができます。 年表には、もちろん、成功体験や、楽しかったことを書いてもらってもいいのですが、それよりもやはり、何かに挑戦してダメだった経験や、つらい出来事をできるだけ書いてもらうようにしています。そうすれば、相手の心を動かすエピソードが見えてくるからです。

 こうしたつらかった話があるからこそ、うれしかったことや楽しかったことが、余計に輝いて感じられるのです。そこには、成功体験だけではわからないストーリーがあるのです。このストーリーさえわかれば、面接で「つらかったこと」から話を始めたとしても、最終的に「自分がやりたいこと」を説得力を持って伝えられるようになるのです。 まだ本格的な選考はこれからですが、就活にのぞむ学生のみなさんは、ぜひ、自分の過去をさかのぼって、相手の心を動かすエピソードを探してみてください。     ƒvƒŠƒ“ƒg 『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』 霜田明寛著  

 

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