就活

2022年2月16日

【2022オンライン卒業生訪問】東大卒業生に聞く、職場事情と就活のポイント③サントリー・伊藤忠商事

 就活の際には多種多様な職業を知った上で進路を選択することが重要だが、興味のある業界以外の仕事について話を聞く機会はそう多くない。今回はさまざまな業界の8社に取材をし、東大卒業生に現在の職場や、就活時のポイントについて話を聞いた。また一部の卒業生にはコロナ禍で業務がどのように変化したのかについても語ってもらった。

(構成・松本雄大、取材・佐藤健、弓矢基貴)

 

サントリー

 

社員一丸となって働く社風

 

 入社時からマーケティングを担当。発売中の「パーフェクトサントリービール」のブランドマネージャーを務める。世間や自社の状況に合った商品を開発する指揮官として、客層やアピールポイントを決めるコンセプトを構想し、それを体現する味や外装などのデザインの方向を定める。発売後は消費者の声やデータを基に、宣伝や販促の内容を考えていく。

 

 日々の仕事は、商品の販売状況や消費者情報などを分析する基本業務に加え、関連部署と先々の打ち手を議論するミーティングが中心。月数回、事業や各製品の方向性を決定する経営陣との会議も行われる。

 

 一つの商品を出すには社内外の何百人もの力が必要となる。人によって利害が異なる中で関係者全員の協力を引き出すことは大変だが、困難な分成功した時のやりがいもひとしおだ。「サントリーの強みは同じ方向を向いたときにみんなが全力で頑張れるところです」。ブランドマネージャーとして、誰よりも商品について熱量を持ち、周りから信頼されることを心掛ける。消費者の反応が直接目に届く仕事でもあり「名前も知らない誰かに自分たちの商品で喜んでもらえた時が一番幸せです」と語る。

 

 福利厚生も充実している。稲垣さんは2児の母であり、フレックスタイム制や在宅勤務を活用し、子育てと仕事を両立している。上司や同僚もそれを当たり前のこととして受け入れており「いい意味で特別扱いされることがない、子育てしながら働くことが当たり前な職場です」とワークライフバランスを重視する社風を教えてくれた。

 

自己分析で等身大の自分を

 

 3年生になりゼミで卒業生から企業についての話を聞く中で就活を意識し始めた。夏にはインターンで企業の雰囲気をつかみ、秋から興味のある企業に多くのエントリーシートを出した。

 

 自分の成果が目に見える形でアウトプットされ、その評価が分かることにやりがいを感じると気付き、メーカーへと業種を絞り込んでいった。多くの人がやりたい仕事に熱量を持って取り組んでいる姿勢や、社員の距離が近い「大いなる中小企業」のような雰囲気が決め手となりサントリーを選んだ。

 

 所属していた手品サークルでの、お客さんのことを考えた披露やチームでの活動は仕事に生かされている。一方、今思えば、学びの環境が整った東大で学業に真剣に取り組んだり、時間がたくさんある学生のうちに旅行をしたりすることで自分の引き出しを増やし、深めることももっとすれば良かったと学生時代を振り返る。

 

 自己分析を通して将来なりたい自分を考たことは自身の核を見つけるきっかけとなった。「等身大の自分にとってなりたい姿が見える企業に入ることが大事だなと思いました。新卒として入る企業はその後の自分に大きく影響を与えると思うので、一生の職ではないとしても丁寧に就活に向き合ってほしいです」

 

稲垣亜梨沙(いながき・ありさ)さん(マーケティング本部イノベーション部)10年経済学部卒

 

 

伊藤忠商事

 

幅広いビジネスを経験

 

 入社2年目。現在は輸入車の販売を手掛ける子会社の経営管理を担当している。自動車関連の部署への配属は「配属面談で伝えた希望通りだった」と話す。企業価値の向上につながるプロジェクトの提案・進行に加え、経営に役立つ調査や予実管理(予算に対する到達度の分析)などを行う。

 

 出社は8時半前後。「8時より早く出社すると無料で朝食を食べられるのも魅力的」だと話す。固定的な仕事はないが、朝は所属する部に関係のある新聞記事に目を通し、部内で共有することが多い。その後、進行中のプロジェクトに関する分析、資料作成、関係者との調整などを行う。退勤は7時ごろ。早めに帰宅しなければならない場合は、翌日の出勤時間を早めて調整することもあるという。「弊社では、基本的には休日出勤がないので、私は、休日に学生時代の友人と会ったりして楽しんでいます」

 

 昨年は事業経営ではなくトレードを担当。自動車の部品を海外(イスラエルなど主に中近東諸国)に輸出していた。海外からの需要とメーカーの状況を把握し、両者の調整を図るのが主な仕事だった。「あの時は日常的に英語を使っていましたが、今は全く使わないです」と、仕事内容の変化をうかがわせる。このようにトレードから経営に異動することもあれば、扱う商材や取引先の地域が変わることも頻繁にあり、さまざまなビジネスの経験を積める。

 

 職場の雰囲気も風通しが良く「自分の意見を論理立てて説明すれば採用されるところが好き」だと語る。社員寮をはじめとした福利厚生にも満足しているという。

 

「受かると思っていなかった」

 

 就活を意識し始めたのは2年の秋。3年の6月ごろから選考が始まる外資系企業のエントリーシートを準備したり、3年の夏は日系企業のインターンに参加したりした。面接対策としては、学園祭の運営に携わった経験やゼミでの学びなど、大学で頑張ったことを中心に話せるネタを書きためた。特にゼミで学んだマクロ経済学や計量経済学の知識は、経済の動向を追ったりデータを分析したりする上で、今の仕事に直接的に役立っているという。「面接で聞かれる質問を想定して回答を用意するほど計画的なタイプではないので、深掘りされるとうまく答えられないこともありました」

 

 いろいろなビジネスを体験してみたいと思い、総合商社を志望。働き方に関する先進的な取り組みに魅力を感じ伊藤忠商事を受けるも「受かると思っていなかった」と話す。「ゴリゴリの体育会系のイメージがあったので、自分には無理だと思って。入社してみると、実際は体育会系がたくさんいるわけでもなかったのですが」

 

 学生時代を振り返り「学生という立場を利用して、もっといろんな人に会いに行けばよかった」と語る。社会人のリアルな話を聞くことで、視野が広がり人生設計に役立つためだ。学生には「自分がこれまでやってきたことに自信を持って面接に臨んでください」とエールを送った。

 

小野大樹(おの・だいき)さん(自動車モビリティ第一部)20年経済学部卒

 

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