硬式野球部(東京六大学野球)は5月11日、法大と戦い、2―12で敗れた。今回の敗北で、東大は55季連続の最下位が決定した。先発・増田滉生(育・4年)が1回1/3を5四球で6失点と崩れ、2回裏終了時点で8点差と苦しい展開に。打線も追い上げに欠き、チーム目標の「勝ち点獲得」が遠のく結果になった。(取材・撮影 吉野祥生、平井蒼冴、宇城謙人)
東大 0 0 0 1 1 0 0 0 0 | 2
法大 0 8 0 0 0 0 4 0 × | 12
前日はエース・渡辺向輝(農・4年)が4回0/3を6失点と炎上し、試合前時点でリーグ戦1勝だった法大に大敗した東大。今年のチーム目標は「勝ち点獲得」だったが、残すカードの立大は打線好調で勢いがあるだけに、法大戦で勝ち点を獲得したいところ。そのためには先発・増田の2試合連続の好投に期待がかかるところだった。
増田の魅力は、常時クイック投法のような投げ方から繰り出される、130km/h代後半の速球。この日も法大打線を圧倒したいところだったが、課題の制球難が露呈してしまう。初回からストライク・ボールがはっきりとして、先頭の藤森康淳に四球を出す。盗塁を決められ迎えた走者二塁のピンチは何とか抑えるも、落とし穴は2回だった。今泉秀悟に与えた四球は2イニング連続となる先頭打者を出すと、バントと暴投で走者を進め、走者三塁から先制打を浴びる。ここで何とか流れを切りたいところだったが、ストライク・ボールがはっきりと分かる投球が立て直せず。被安打は2にとどまったが3四球を与えたところで降板となった。

続いて登板した高橋直人(文Ⅰ・2年)は落ち球が冴え法大打線から空振りを奪っていくも、傾いた流れを抑えられず。増田がためた走者を全員返してしまい、2回裏に一挙8失点となってしまった。
序盤に大勢が決定してしまったが、「守備から立て直していくぞ」という掛け声のもと、野手陣が奮起を図る。4回表には荒井慶斗(文Ⅲ・2年)、秋元諒(文Ⅰ・2年)が連続で出塁しチャンスメークすると、代打・工藤雄大(文・4年)が引っ張った打球は左前へ落ちる。4年生にしてリーグ戦初安打となる安打で、荒井が本塁生還。1点を返し意地を見せると、続く5回表にもクリーンナップが3者連続で出塁し、無死満塁の大好機を作り出す。先ほど生還した6番・荒井に期待が高まり、スタンドのボルテージが上がる。しかし荒井が放った打球は無情にも遊撃への併殺打。1点を返したが、反撃はここまでだった。

投手陣は7回裏にも4失点。点差は10に開いてしまい、三塁手・秋元らがスタンドに響くほど枯らした掛け声も虚しく、大敗という結果になってしまった。登板した投手たちは130km/h代後半の速球で相手打者を押していくシーンも目立ったが、四球で崩れるシーンが目立った。最終カードの立大は打撃が強力。強気な勝負で打者を圧倒し、勝ち点獲得の目標につながるか。