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2023年11月9日

【六大学野球】最下位脱出の夢潰える 2試合17安打実らず立大に連敗

 硬式野球部(東京六大学野球)は10月21、22日、立教大学とリーグ戦を戦い、1回戦は9ー2、2回戦は2ー4で連敗した。1回戦は、法大戦で完投勝利を挙げた右のエース・松岡由機(経・4年)が先発するも、中盤に外野手の交錯が絡み4失点。一時2点差に詰め寄るも、再び点差を広げられた。2回戦は、左のエース・鈴木健(育・4年)が先発するも、初回に3失点。鈴木は、二回以降立ち直り、打線の奮起で追い上げたが、六回に追加点を許した。この連敗で東大は52季連続のリーグ最下位が確定。最下位脱出の目標は遂に果たせなかった。(取材・川北祐梨子、横山秀太)

 

1回戦 投手陣、二度の大波に抗えず9失点

 

立大|000314010|9

東大|000020000|2

 

 絶対に落としたくない初戦の先発は、松岡。初回から立大打線に安打を許し走者を背負うも、後続を討ち取り得点は与えない。三回には、左中間を破るかと思われた打球を中堅手・別府洸太朗(育・4年)がダイビングキャッチ。球場を沸かす味方の好守にも助けられ、無失点で序盤を終えた。

 

 松岡の気迫の投球にほころびが見えたのは四回表。立大・鬼頭勇気の適時打で1点を失った後、立大先発・池田陽佑に対してその背中を強打する死球を献上し、2死一二塁のピンチを背負う。ここで迎えた立大1番・平野太陽の打球は力なく左中間へ。チェンジかと思われたが、中堅手・別府と左翼手・中山太陽(文II・2年)が交錯し落球。完全に流れを失いさらに2点を失った。

 

 一方の東大打線は、最速147キロの立大先発・池田を前にここまで打線がつながらず無得点。それでも五回裏には先頭・山口真之介(薬・3年)の二塁打と、松岡の代打・矢追駿介(農・4年)の中前打で1死一三塁に。ここで打順には六大学でも指折りの強打者・酒井捷(文II・2年)。大事な場面でライトに突き刺す二塁打を放ちついに1点を返すと、続く一ゴロの間にも走者が帰り2点差に詰め寄った。

 

酒井捷は春秋通じて全試合で出塁。今季は二塁打5本と3割超の打率を誇り、ベストナインを獲得した(撮影・清水央太郎)
二塁打5本と3割超の打率を誇り春から全試合で出塁を果たした酒井捷はベストナインを獲得(撮影・清水央太郎)

 

 流れを取り戻したかに見えた六回表、再び大波が東大を襲う。松岡に代わりマウンドに登ったのは昨秋からリーグ戦経験を積む平田康二郎(育・3年)。二ゴロ、投直でテンポ良く2死を取り、迎えた2死二塁の場面。高く弾んだ内野ゴロを三塁手・内田開智(養・3年)が悪送球する間に1人が帰り、5ー2。これを皮切りに平田の投球が崩れる。続く打者4人に四球と安打で連続出塁を許し、この回4失点。スリーアウトを待たずに三田村優希(工・4年)に継投した。

 

 この後東大は三塁を踏む場面もあったが、得点には手が届かず。立大に本塁打でダメ押しの追加点も許し、9ー2。1敗を喫し、最下位脱出に向け後がなくなった。

 

2回戦 僅差に迫るも競り勝てず

 

東大|000200000|2

立大|30000100X|4

 

 左のエース・鈴木健を先発マウンドに送った東大だったが、ピンチはいきなり訪れる。一回裏、先頭の平野に初球をレフトへ運ばれ、四球で2死二三塁。そこから連打で初回から3点を追う厳しい展開となった。

 

 しかし、立大打線にこれ以上の攻撃を許さないのが鈴木の底力。二回から五回までは130キロ中盤の直球を軸に、相手打者のバットの芯を外す変化球を織り交ぜ、無失点ピッチングを続けていく。

 

最終戦の先発を任された鈴木健。2年次春から登板し、昨年のエース・井澤や右のエース・松岡に勝る通算防御率5.59をマークした  (撮影・川北祐梨子)
最終戦の先発を任された鈴木健。2年次春から登板し、昨年のエース・井澤や右のエース・松岡に勝る通算防御率5.59をマークした (撮影・川北祐梨子)

 

 鈴木の好投は、試合の流れを引き寄せる。四回表、別府と和田泰晟(農・4年)の安打で、2死一二塁のチャンス。そこから、内田がセンター前へ適時打を放って1点を返すと、続く矢追も変化球をしぶとく右中間に運んで2点目。1点差に詰めよった。

 

四回表、別府に続き左前打を放った和田。低めの球にバットをうまく合わせた(撮影・川北祐梨子)
四回表、別府に続き左前打を放った和田。低めの球にバットをうまく合わせた(撮影・川北祐梨子)

 

 だが、大事なのはここから。そうした中、後半戦のチャンスをものにしたのは立大だった。六回裏、立大は安打と犠打で1死二塁とする。その後、2死となったものの、齋藤大智がこの日2打点目となる適時打を放ち、点差を2点に広げた。

 

 反撃したい東大は、たびたびチャンスを作り出すも、あと一本が出ない。七回表には、2死から別府が二塁打を放ち、大井温登(育・4年)がレフト前ヒットで続くも、相手の好返球によりホームタッチアウト。九回表には、今年一年苦しみぬいた主将の梅林浩大(育・4年)が万雷の拍手の中で今季初打席に立ったが、快音は響かず無念の敗戦。チームを引っ張った4年生は、この試合をもって引退することとなった。

 

 

応援席への礼を終えた主将・梅林。顔を上げることができない(撮影・川北祐梨子)
応援席への礼を終えた主将・梅林。顔を上げることができない(撮影・川北祐梨子)

 

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