部活・サークル

2021年12月11日

コロナ禍の定期演奏会を目指して 東大ブラスアカデミーがクラファンで目標達成

 

 東大の吹奏楽サークル「東京大学ブラスアカデミー」(ブラアカ)は10月1日から11月30日にかけてクラウドファンディングを実施し、当初の目標だった100万円を大きく超える200万5千円の支援を集めた。集まった資金は来年2月に控える定期演奏会などに活用されるが、新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限される中、中心となった2年生の団員はどのような思いでクラウドファンディングに臨んだのか。そこにはこれまで支えてくれた3年生の部員への感謝の思いがあった。

(取材・中野快紀)

 

クラウドファンディングのサイト

 

先輩に感謝伝える場を

 

 ブラアカは主に駒場Ⅰキャンパスを中心に活動している吹奏楽サークル。1994年の創立以来団員のみの手で運営を担っており、新型コロナウイルスの流行以前は五月祭・駒場祭での演奏やコンクールへの出場、そして毎年2月の定期演奏会などを行ってきた。しかし、昨年の春以降活動は大幅に制限。今年11月に開催した特別演奏会まで1年9カ月の間、有観客の演奏を行えなかった。

 

 クラウドファンディングの責任者を務めた小野遥香さん(理Ⅱ・2年)も活動制限下に入団した部員の一人だ。小野さんが入学した昨年度の春には新入団員の受け入れを行うことができず、入部したのは9月になってから。入部後も観客の前で演奏を披露する機会はなく、また昨年度までは学内で練習することもできず、利用費の安い郊外の施設を探して練習をしていた。その利用料や楽器の運搬費用は通常の団費に上乗せする形で徴収した。

 

 学内の活動制限が緩和された本年度以降はキャンパスでも練習を一部再開させたが、約100人という人数を擁するブラアカは活動制限の影響から団全体での練習を学内で行うことができない。そのため学外の施設を借りた練習が続き、加えて演奏会の開催に不可欠な「コンサートチャイム」を新たに購入する必要もあったことから、深刻な資金不足に陥っていたのがクラウドファンディングを決意したきっかけだ。

 

対面での練習では間隔を空けるなどの対策を行う(写真はブラアカ提供)

 

 クラウドファンディングの構想自体は昨年度引退した現・4年生の団員が提案していたというが、本年度に入って小野さんたち2年生を中心に本格的に議論を始めた。これまで団としても経験のなかったクラウドファンディングに、小野さんはどのような思い出で取り組んできたのか。「昨年度末、当時の3年生に引退公演の場が設けられなかったことがかなりショックでした。次に引退する今の3年生に対しても、感謝の気持ちを伝える場がないのは寂しいので、定期演奏会を開催したいです」。定期演奏会の開催には、クラウドファンディングを通じた資金集めが不可欠だった。

 

 まずは定期演奏会に不可欠なコンサートチャイムの購入資金の調達を目指して始めたクラウドファンディングは、開始からわずか6日で1stゴールとして設定していた100万円を達成。当初の見込みよりかなり早い段階で190万円のネクストゴールを設定することとなった。取材を行った段階ではネクストゴールの達成前だったが、このスピードでの1stゴール達成について小野さんは「支援と共に応援の声もいただき、想像していた何倍もうれしく、本当にありがたいです。100万円に到達するとも思っていませんでした」と話した。

 

 その後11月14日の特別演奏会で直接支援を呼び掛けたこともあり、15日にはネクストゴールも達成。最終的に2カ月間で124人から200万5千円の支援を集めた。集まった支援は当初の予定通りコンサートチャイムの購入に使用される他、2月の定期演奏会の運営費や練習費、楽器の整備費などに充てられるという。

 

11月14日の特別演奏会は1年9カ月ぶりの有観客演奏となった

 

 1年9カ月ぶりの有観客の演奏会の開催、そしてネクストゴールの達成を果たしたブラアカに再び話を聞くと「音楽を届ける喜びを久々に肌で感じることができ、定期演奏会を成功させたいという思いが一層強まりました」。団内でも達成への喜びの声や支援してくれた人たちへの感謝の思いが上がっているといい「ご支援いただいたすべての方々に感謝してもしきれません」とした。今後は2月の定期演奏会に向けて準備を進めていくことになるが「クラウドファンディングにご理解ご協力いただいた皆さま、あらためて本当にありがとうございました。定期演奏会は皆さまのご支援があってはじめて開催が可能となったものです。その感謝の気持ちを忘れずに、団員一同以後練習に励んでまいります。皆さまとつくりあげる定期演奏会。当日、皆さまとともに素敵な時間を過ごせたらと願っております」

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