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2020年12月16日

国際人道法模擬裁判 東大4連覇の舞台裏

 11月28、29日、赤十字国際委員会駐日代表部主催の国際人道法模擬裁判大会国内予選で、クリス・ クレイトンさん、ティモシー・ マシーさん、金原芽以さん(いずれもPEAK・2年)からなる東大チームが優勝した。東大生の同大会での優勝は4年連続だ。3人は来年3月、香港で開かれるアジア・大洋州地域大会に出場する。

 

   同大会は国際人道法への学生の理解を深めることを目的に開催され、今年で11回目。国際刑事裁判所の架空の裁判を題材に、各チームが検察・弁護双方の立場で申述書の提出と弁論を英語で行い、法理解の正確さと論証の緻密さを争った。自身も同大会に出場し、準決勝で3人と対戦した記者が、優勝を決めた3人に大会の感想を聞いた。

(取材 川北祐梨子)

 

優勝を決めた東大チームの三人。左からクレイトンさん、金原さん、キハラハント准教授、マシーさん。(写真はチーム提供)

 

   3人とも初めての模擬裁判。クレイトンさんは「法学も学んだことがなく、基本的な用語すら分からない状態からのスタートだった」と振り返る。そんな3人を指導し優勝へと導いたのはキハラハント愛准教授(総合文化研究科)で、マシーさんは、「准教授こそこの大会の真のMVPだ」と口にした。

 

   大会初日、金原さんは「何が起きるか分からずはらはらした」とするも、東大チームは予選を通過した。続く2日目の準決勝の相手は東大・早稲田大学合同チーム。東大同士の対決となった。1日目の夜に送付された対戦チームの申述書には「対戦したチームの中で、最も独創的で予期せぬ議論が展開されていた。その夜は反論を考え続け、ほぼ眠れなかった」とマシーさんは振り返る。一方のクレイトンさんは弁論当日までに「原稿の半分を書き直した」と驚異の対応力を見せ、終始冷静に論を展開したが「相手の情熱的な弁論と反論を受け、勝利が危ぶまれた」とした。

 

   東大同士の激しい争いを制したのは、クレイトンさんらの東大チームだった。決勝の相手は同志社大学。申述書を受け取ってから弁論までは30分ほどであったが「予選の対戦校と似た議論が展開されていた」とマシーさんは余裕を見せた。弁論を振り返り、クレイトンさんは「全く緊張しなかった。最高に集中した没我の境地で弁論を再構成し、裁判官の質問や反論にも全て対応できた」と語った。

 

   3人が次に見据えるのは3月の香港大会。金原さんは「非常に楽しみだ。東大を代表し、国際人道法の世界に更に没入できるのは名誉なことだ。学ぶことがまだまだ沢山ある」と意欲を見せた。

 

 

   模擬裁判は、ともすると静的で固定的なものと捉えられがちな法学を、弁論を通じて動的で奥深いものとして捉え直すことのできる刺激的な機会である。記者も3人との熱い弁論の応酬を経て、法に対する新たな意識を得たように思う。香港での3人の更なる健闘を、国内予選の戦友として、一人の東大生として、心より祈りたい。

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