受験

2024年4月16日

先輩に聞いた!部活・サークルに入る前に知っておきたかったこと

先輩に聞いた!部活・サークルに入る前に知っておきたかったこと

 

 待ちに待った東大での新生活。キャンパス内を歩くと、さまざまな部活やサークルの勧誘を受ける。活動内容が似ている部活やサークルが複数存在することもある。サークルや部活に入るべきなのか、どの団体に入れば良いのか、新入生は悩むことになるだろう。東京大学新聞社は、部活・サークル選びについて、東大生にアンケートを実施。26人から得た回答を紹介する。(学年は昨年度の回答時のものを記載。母数を26(人)として本文中の割合は小数第2位を四捨五入)(構成・井上楽々)

 

部活・サークルに所属するべき?

 

 まず、部活・サークルへの所属有無について聞いた。回答は(図1)の通り。26人中24人(92.3%)が部活・サークルに所属しており、2人(7.7%)が所属していないという結果になった。部活・サークルに最初から所属しなかった理由としては、「興味のある部活・サークルがなかった」(理Ⅰ・1年)ことが挙げられた。

 

図1
(図1)

 

 一方、所属していた部活・サークルを辞めた、または活動に参加しなくなった経験の有無を聞いたところ、13人(50%)がそのような経験があると答えた。理由としては「学業やバイトなど、他の活動が忙しくなったから」(6人・23.1%)、「部活・サークルの雰囲気が合わなかったから」(2人・7.7%)、「活動が面倒になったから」(2人・7.7%)、「想像以上に活動が忙しかったから」(2人・7.7%)などが挙げられた。部活・サークルを辞めた、または活動に参加しなくなった経験がある人で、6人(23.1%)がそれを後悔したことがない、7人(26.9%)が後悔したことがあると答えた。後悔の内容として「辞めた部活・サークルの仲間と疎遠になった」(3人・11.5%)、「大学生活の思い出が作りにくくなった」(2人・7.7%)ことなどが挙げられた。

 

 これまでの結果から、部活・サークルに最初から所属しない人、所属していたが途中で活動に参加しなくなった人、活動に参加しなくなったことを後悔している人など、東大生の部活・サークルへの関わりについてはさまざまなパターンがあることが分かる。

 

 結局のところ、新入生は部活・サークルに所属すべきなのだろうか。質問に対する回答は(図2)の通りだ。24人(92.3%)が部活・サークルに所属すべきと回答し、2人(7.7%)が所属すべきでないと回答した。

 

図2
(図2)

 

 所属すべきだと回答した人が挙げた理由は以下の通りだ。

 

・「東大はクラス制度が比較的緩いので、クラスメイトとは大体一年で交流が薄れる。そうするとサークルくらいしか交友関係を築く場がないから」(文Ⅰ・1年・日本伝統文化系サークル)

 

・「複数のコミュニティに参加したほうが、人脈が広がるほか、コミュニティの相対化にもつながるから」(文Ⅰ・1年・音楽系サークル)

 

・「授業だけで大学生活を充実させるのは難しいと思うから」(文Ⅲ・1年・音楽系サークル)

 

・「学問専攻に限らない人間関係をもつことで、見識が少し豊かになる気がするため」(文Ⅲ・1年・音楽系サークル)

 

・「勉強がしんどい時にサークルを楽しんでいれば、それだけで大学に来るモチベになる」(文Ⅲ・1年・運動系サークル、運動会所属の運動部)

 

 一方で、新入生は部活・サークルに所属すべきでないと回答した人は、「学業に専念するため」(理Ⅰ・1年)という理由を挙げていた。

 

 以上より、おのおのの学業・課外活動の忙しさや興味に従って参加の有無を決めることが大切だが、部活・サークルから得られるものは大きいと考えている人が多いことが分かる。

 

兼部・兼サーはするべき?

 

 複数の部活・サークルに所属することもできる。兼部・兼サーの経験の有無を東大生に聞いた。結果は(図3)の通りだ。現在部活・サークルに所属している人で、16人(61.5%)が兼部・兼サーをしたことがあり、8人(30.8%)がしたことがないという結果になった。

 

図3
(図3)

 

 兼部・兼サー(複数の学生団体に所属すること)をしたことがある人(16人)を対象に、過去に所属したことがある団体(辞めた、または活動に参加しなくなった団体も含む)の数について聞いたところ、6人(37.5%)が「2つ」、6人(37.5%)が「3つ」、4人(25%)が「4つ」の部活・サークルに所属したことがあると回答(図4)

 

図4
(図4)

 

 兼部・兼サーをして良かったと思うかについて聞いたところ、8人(50%)が「良かった」、6人(37.5%)が「どちらかといえば良かった」、2人(12.5%)が「どちらかといえば良くなかった」と回答した(図5)

 

図5
(図5)

 

 まずは、「良かった」「どちらかといえば良かった」と回答した人の理由を紹介する。

 

・「真面目に取り組むものとそうでないもので、違う目的で楽しめる」(文Ⅰ・1年・日本伝統文化系サークル)

 

・「互いが互いの活動の息抜きのように作用し、飽きない」(文Ⅰ・1年・音楽系サークル)

 

・「取捨選択することができる(増やすことは難しいが減らすことは簡単)。色んな場を経験することができる」(文Ⅲ・1年・運動系サークル)

 

・「趣味などの話を真面目なサークルでできるとは限らないから」(文Ⅱ・2年・文学系、メディア系サークル)

 

・「知り合いが増える」(文Ⅰ・2年・メディア系サークル)

 

 次に、「どちらかといえば良くなかった」と回答した人の理由を見てみよう。

 

・「忙しくてどちらの活動も中途半端になってしまったから」(文Ⅲ・1年・運動系サークル)

 

・「部活で精一杯だから」(文Ⅲ・1年・運動会所属の運動部)

 

 これらの回答から、自分の忙しさを見極めて、兼部・兼サーをするかを決めることが大切だと言えるだろう。所属団体を増やすことは難しく、減らすことは簡単だという意見もあった。興味のある部活・サークルにまず所属してみて、その後に継続するかについて考えるのも一つの方法かもしれない。

 

先輩は部活・サークルに満足しているのか?

 

 部活・サークルに所属することを決めたら、次に新入生を待ち受けているのは、所属団体の選択だ。活動内容が似ている部活・サークルが複数存在する場合もあり、どの団体に入れば良いのか、悩むだろう。自分と相性が合わない部活・サークルに入ってしまうと、満足できずに途中で活動を離脱することにもつながる。そこで、現在所属している部活・サークルへの満足度を東大生に聞いた。結果は(図6)の通りだ。20人(76.9%)が「大変満足」「満足」、2人(7.7%)が「どちらともいえない」、2人(7.7%)が「不満」と回答。

 

図6
(図6)

 

 それぞれの理由を見てみよう。まずは、「大変満足」「満足」と回答した人の理由から紹介する。

 

・「良い友達ができたため。また、社会経験を積めたから」(文Ⅱ・2年・文学系、メディア系サークル)

 

・「部活内の雰囲気がよい。活動頻度がちょうどよい(週2日)」(文Ⅰ・1年・日本伝統文化系サークル)

 

・「音楽にのめり込むことができていて楽しいから」(文Ⅲ・1年・音楽系サークル)

 

・「先輩が優しい。卒業後も残れる」(文Ⅲ・1年・運動系サークル、運動会所属の運動部)

 

・「同期と話している時間は楽しく、かけがえのない存在だから。練習している技を習得した瞬間の達成感は何にも変え難いから」(文Ⅲ・1年・運動会所属の運動部)

 

・「忙しくはあるが、楽しく充実しているから」(文Ⅲ・1年・芸術系サークル)

 

 以上の結果から、部活・サークル内の雰囲気や、活動頻度、活動内容との相性が、満足度の高さに関係していると考えられる。次に、「どちらともいえない」と回答した人の理由は、以下の通り。

 

・「習っている先生に気を遣わないといけない雰囲気がきらい」(文Ⅰ・1年・日本伝統文化系サークル)

 

・「週一回で参加自由、大会もないというのが自由度が高く気晴らしにちょうどいいのだが、練習の強度が部活並みで結構きつい」(文Ⅲ・1年・運動系サークル)

 

 最後に、「不満」と回答した人の理由を見てみよう。

 

・「ゲーム練習ばかりで基礎練習ができない」(文Ⅲ・1年・運動系サークル)

 

 これらの回答を見ると、所属を検討している団体が、自分が部活・サークルに求める条件を満たしているかを所属前に確認することが重要だと分かる。

 

部活・サークル選びでは、ここを確認しよう!

 

 最後に、事前に何を、どのようにして確認することができるのか、先輩の回答を参考にして考えてみよう。まず、部活・サークルを選ぶ際に大切にした基準(複数回答可)について聞いたところ、「活動内容」(18人)、「活動頻度・1日あたりの活動時間・活動時間帯」(13人)、「部活・サークルの雰囲気」(13人)、「入部費用・活動費用」(8人)という回答が多かった。一方で、11人が部活・サークルを比較して選ぶ段階で確認しておくべきだったことが「ある」と回答した。確認すべきこと(複数回答可)としては、「部活・サークルの雰囲気」(8人)という回答が最も多く、「活動内容」(6人)、「活動頻度・1日あたりの活動時間・活動時間帯」(6人)、「入部費用・活動費用」(4人)という回答が続いた(図7)

 

図7
(図7)

 

 それでは、どうすればこれらを所属前に確認することができるのだろうか。確認方法について、集まった回答を紹介する。

 

・「サークルの人に、どのくらいの頻度で何割くらいの人が集まるか聞く」(文Ⅱ・2年・文学系、メディア系サークル)

 

・「体験や見学への参加」(文Ⅲ・1年・音楽系サークル)

 

 多くの部活・サークルは新歓期を中心に、活動に体験参加したり、先輩の話を聞いたりする機会を設けている。これらに積極的に参加することで、所属を考えている部活・サークルの活動内容を確認するのはもちろんのこと、活動時間や経済的負担が自分の希望に合致しているかを確認することが肝要だ。

 

 部活・サークルは活動内容が楽しいだけでなく、友達づくりに役立ったり、社会勉強になったりと、大学生活に彩りを添えるものである。自分の忙しさを見極めつつ、取り組みたいことの優先順位を忘れずに、部活・サークル選びを楽しんでほしい。

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