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2025年7月24日

東大とIBM、量子コンピューターに最新プロセッサー導入 AI分野への活用も

 東大と日本IBMは5月16日に記者会見を行い、川崎市で稼働中の量子コンピューターibm_kawasakiに、最新の156量子ビットIBM Heronプロセッサーを導入すると発表した。東大はibm_kawasakiを、筑波大学と共同運用するスーパーコンピューターMiyabiに接続する事業を計画する。

 

 ibm_kawasakiは東大が占有使用権を有するIBM Quantum System One(IBMが開発する商用ゲート型量子コンピューター)。2020年に東大が量子コンピューター分野での共同研究促進を目的に設立した量子イノベーションイニシアティブ協議会に参加する企業・大学がアクセスできる。27量子ビットのIBM Falconに代わり127量子ビットのIBM Eagleを導入した23年に続いて、2度目のプロセッサーのアップデートとなる。

 

 Miyabiは最先端共同HPC基盤施設(東大と筑波大学が共同運営する最先端の大規模高性能計算基盤の構築・運営のための組織)が運用するスーパーコンピューター。今年1月から稼働し、画像やビッグデータ、AI関連の処理能力に優れたプロセッサー(GPU)を搭載。ibm_kawasakiとの接続で、量子コンピューターの機械学習・AI分野などでの活用が期待される。東大の相原博昭理事・副学長は「スーパーコンピューターと量子コンピューターを共に扱える環境は世界的にも珍しく、日本の国際的な立ち位置はユニークで優位性があると考える」と話す。

 

 東大とIBMは19年にJapan-IBM Quantum Partnershipを、20年に産学協創協定を締結。21年には新川崎にIBM Quantum System Oneを設置した。

 

左から東大の相原博昭理事・副学長、藤井輝夫総長、日本IBMの山口明夫代表取締役社長執行役員、森本典繁取締役副社長執行役員・最高技術責任者兼研究開発担当、量子イノベーションイニシアティブ協議会の小柴満信会長(撮影・大島蓮)

 

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