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2021年8月27日

東大、起業促進のための寄付講座を開講

 東大は8月19日、KDDIや松尾研究所ら4社を寄付企業として迎え「アントレプレナーシップ教育デザイン寄付講座」を開設すると発表した。著名起業家や寄付企業による講義や学生と事業会社(ダイキン工業、サントリーなど)の社員が合同で行うフィールドワークを通じ、産学連携で起業家創出の加速を目指していく。初回の講座は10月7日に開かれる。講座のうちフィールドワークを除く講義部分はオンラインで配信され、東大以外の学生や社会人も受講できる。

 

 本講座が目指すのは、起業家の育成、起業家育成のための教育フォーマット(カリキュラム)の構築、スタートアップエコシステム(企業や大学がネットワークを形成しスタートアップを生み出していく体制)の創造の3点。起業家の育成では、将来のビジネスパートナーとなり得る事業会社との関わりを通じて、経営に必要な知見や実践的なアントレプレナーシップ(新規事業などを通じて社会的価値の創出に挑戦する姿勢)を習得する。新しい教育フォーマットは、著名起業家らによる講義と、学生と事業会社社員が合同で新規事業案を検討するフィールドワークを複合させて構築していく。この教育フォーマットを将来的には他大学にも展開していくことで、スタートアップエコシステムの形成を目指すという。

 

 東大からはこれまで約400のベンチャー企業が生まれているが、ITやバイオヘルスケアといった特定の領域に偏っているのが現状だ。近年、製造業における日本の国際競争力の低下が懸念されており、ハードウエアなどのものづくり領域におけるベンチャー企業が少ないことが日本の製造業の課題だという。ものづくり領域での起業は事業化に時間がかかるとされており、本講座はこうした起業の手助けとなることが期待される。この流れを他大学へ広め、最終的には日本の産業全体の国際競争力の向上に貢献していくことが目指される。

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