部活・サークル

2022年3月12日

【寄稿】「それは本質的な議論じゃないのでは?」と常々自分に問いかける 原田ゼミ受講生インタビュー③

 

 「自主ゼミ」をご存知でしょうか? 自主ゼミとは、教養学部学生自治会が主催する、単位認定のないゼミです。通常の授業の枠に縛られない、個性あふれるゼミが展開されています。もうすぐ新年度。この機会に、サークルや学生団体のみならず、自主ゼミに参加することを考えてみませんか? 本企画では、東大では2020年度から開講されている「未来シナリオとリーダーシップ」、通称「原田ゼミ」の受講生・卒業生のインタビューを4回にわたってお届けします。(寄稿=童菲 法・3年/原田ゼミ2020S・A、2021S受講生)

 

 「より多くの学生にこのゼミを知ってほしい! 」という切実な思いと使命感から、私は3名の受講生をインタビューしました。第3回でお話を聞かせて頂いたのは、2020年度Sセメスターにサークル(届出団体未来シナリオ研究会)として開講した原田ゼミを受講し、現在原田先生の研究所で長期インターンも経験されている二見さん(教養学部後期教養相関社会科学)です。

 

ゼミの九州研修。左奥が原田先生

 

──ゼミに参加したきっかけはなんですか?

 

 「未来シナリオ」と「リーダーシップ」二つのキーワードに引かれました。

 

 まず、「リーダーシップ」については、当時自分の中で「易きに流れたい自分」と「意識高い自分」がいて、その後者の方の「リーダーたる自分」についてもっと学びたいと思っていました。

 

 「未来シナリオ」については、その言葉自体を不思議に感じていました。未来は自分が創っていくと思っていたのに、「未来シナリオ」という言い方は未来がすでに決まっているものであるかのように聞こえました。そんな未来観に対する衝撃が参加を後押ししました。

 

 付加的に言うと、丸の内のオフィスで受講できることにも少し憧れを感じました(笑)。(注:2020年度Sセメスターのゼミ活動は原田先生の研究所で実施していた)

 

──二見さんが参加されたゼミは、新納さんと小泉さんが参加されたゼミの「アドバンス版」という位置付けでしたが、ゼミのカリキュラムの概要を教えてください。

 

 最初は公開情報分析を軸に、例えば、アメリカ海軍、アメリカ合衆国国家情報長官、イギリス石油会社ロイヤル・ダッチ・シェル、世界有数の金融機関ゴールドマン・サックスといった主体が出す未来シナリオを読みました。

 

 原田先生のより深い解説を聞きながら、世界の見方が深まってきたところで、もう一歩先ということで日本の隠れた国学大家である平田篤胤の音義説について、先生の大学院の卒業論文を読みながら学習しました。

 

──国家機関や企業が未来シナリオを読むのは、私にとっても新鮮な学びでした。原田ゼミは企業分析や政策分析、起業プロジェクトなどをするゼミとは切り口が少し「変わった」ゼミだと思いますが、受講されて一番印象深かったことを教えてください。

 

 私にとっては、「ノーブル・ライ(高貴な嘘)」と言う言葉が一番印象深かったです。みんなが地球温暖化、脱炭素化、デジタル・トランスフォメーション(DX)、人権などを当たり前の正義のように語る時、そこに、「そもそもなんでこうなっているの?」と考えると、もっと深く物事を考えられるようになる。

 

 報道の裏にある意図を常に読み取ろうとすることが大事だと言うことを初めてここで教わりました。

 

──ゼミの受講によって、自分自身の中で変わったことはありますか。

 

 一つは、本質主義になったことです。

 

 原田先生が国内・国際社会に深い知見を持つのは、常に「本質は何か」と考えているからなのではと思いました。自分自身、今就職活動をしていますが、グループディスカッションにおいて、「それは本質的な議論じゃないのでは?」と常々自分に問いかけています。 

 

 もう一つは、 勉強する意欲がすごく向上したことです!

 

 原田先生はよく、文系理系関係ないとおっしゃっていますが、実際私が先生の研究所でインターンをしている中でも理系の本を読んでいます。そこで初めて、理系と文系は実は深く繋がっていて、お互いの学習を深めるのに役に立つことを痛感しました。今私は、相関社会科学という学科に所属していますが、このゼミで学び、自分はどの学問分野(ディシプリン)に興味があって、何を深めたいのかが明確になってきました。今は、幅広くさまざまな本を手に取り、自分の研究に役立たせています。

 

 総じて言えば、表層にとどまらない探究心が根付いたことが、一番大きな変化だったと思います!

 

ゼミの九州研修にて。奥が原田先生

 

──二見さんはゼミ参加後、インターンにも参加されていますが、そのきっかけはなんでしょうか。

 

 ゼミが終わった後、「このままだともったいない。」と感じたのが大きいかと思います。インターンでは、先生直轄で個人課題を進められるため、興味のあることを先生のアドバイスを頂きながら深めていきたいと考えました。

 

──新歓メッセージを一言お願いします!

 

 原田ゼミは毎回課題発表があり、予習が大変なのが一番の障壁だと思いますが、気負わずに…先生は絶対こんなこと言いませんが、「お前はもう来るな」と言われるかもしれないけど行く勢いで(笑)挑んで欲しいです。実際私も毎回の予習課題のできには自信がなく、授業に行くたびに緊張していましたが、毎回授業で得るものが多く、話をもっと聞きたいから、「行くしかない!」と考えながら、向き合っていました。

 

 また、このゼミでは、先生が外交官として日本の文化・政治・社会、そして国際情勢に対し深い分析をされます。さらには、経営者としての覚悟や金融マーケットの分析も学べます。三つもいいところがある!

 

 ほとんど全ての人がターゲットになるゼミだと思います。

 

 官僚になりたい人、投資銀行に行きたい人、普通の民間企業に入りたい人、進路に迷っている人も、全員が知っておいたほうがいいことをこのゼミでは学べます。

 

 

 ゼミを受講したい方、初回ゼミにまず出てみたい方は是非下記応募フォームからご応募ください。確定次第、授業のガイダンス資料、授業URLを登録メールにてお送りさせて頂きます。
コチラ→https://t.co/g14vEXLpJT

 

 

【講師・原田武夫略歴】

東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務省に外務公務員Ⅰ種職員として入省
アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)などを歴任し、2005年外務省を自主退職
2007年 株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)を設立登記し、代表取締役に就任
2013年 「サンクト・ペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)2013」にパネリストとして参加(2014年、2015年、2018年にも参加)。
大学生・大学院生を対象に次世代人財の育成を目的とする「グローバル人財プレップ・スクール(前身はIISIAプレップ・スクール)」を無償で開講し、そのOB/OG達は主要官庁及び民間有力企業に多数採用
2013年11月 内閣官房行政改革推進本部事務局による「秋のレビュー」の「大学の教育研究の質の向上に関する事業(グローバル人材育成及び大学改革)」に
関する参考人として招致される
2020年4月 東京大学駒場キャンパスで教鞭を執る
2021年3月 京都産業大学修了(京都文化学専攻(歴史地理学))及び放送大学大学院修了(文化科学専攻(人文学))
2021年 人工知能学会会員
日韓独英で著書・翻訳書多数

 

【2022Sセメゼミ情報】
開講時限:水曜4限(14:55~16:40)
開講形態: 教養学部自治会の要請次第
例年のジェンダー比:5対5程度
受講者所属:学部生院生、文系理系と多岐にわたる
ゼミUTmapHP:https://utmap.jp/clubs/60238126
ゼミTwitter::https://twitter.com/haradazemi2022
ゼミInstagram::https://www.instagram.com/iisia_student/
(参考)2021Aゼミガイダンス資料:https://docs.google.com/document/d/1VN63dASKeS0SdTQBb_7jbC6cuAXTstM_/edit

 

【関連記事】

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