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2021年12月27日

【東大の1年を振り返る】コロナ2年目の東大③ 新組織設立と学生の活動は

 

 2021年、東大新聞オンラインでは報道特集を含め約200本のニュースを公開してきた。コロナ禍でも新組織の設立があった。また、活動が制限されている状況下でも課外活動などに励み、大舞台で成果を上げる学生の姿もあった。ここではこうした戦組織、施設の整備と学生の活動についてまとめた。(構成・池見嘉納)

 

 

【新組織・施設整備】学術関連の組織設立 コロナ禍に対応したキャンパス整備を実施

 

 21年、東大で誕生した新組織について、東大新聞では学術に関連がある二つの組織を取り上げた。

 

 4月に東大柏キャンパスに誕生した「ILANCEラボラトリー」は宇宙・素粒子物理学や天文学の国際研究拠点。東大の宇宙・素粒子物理学に関連した4部局とフランス国立科学研究センターの合同で設立され、ハイパーカミオカンデ、すばる望遠鏡、国際リニアコライダーなどの施設を利用して共同でニュートリノ物理や重力波など最先端の研究に当たる。また、フランスからの研究者や学生の滞在拠点にもなり、人材育成の場として交流を行う。

 

 7月に設置された「エネルギー総合学連携研究機構」では、カーボンニュートラル社会の実現に向けエネルギーに関わる学内10部局と産業技術総合研究所などの学外の研究機関が連携。新たな学問上の理論「エネルギー総合学」を創成し、技術開発から政策・制度の設計に至るまで、文理の境界を超えて次世代のエネルギーシステム開発を目指す。10月には設立シンポジウムが行われ、エネルギーに関連した多様な学術分野の研究者が講演を行った。

 

 また、今年は大学生活に深く関わる部分も含め、いくつかの施設や建造物の整備、改修が行われた。東大の象徴とも言える赤門は耐震性に関する詳細な診断および耐震性確保のため、2月12日より閉鎖が続く。東大は閉鎖期間について「当面の間」としているが、閉鎖解除の日時は未定。代わりとして約70メートル南の伊藤国際学術研究センター門(仮称)が開門されている。

 

リニューアルオープンした東大ニューヨークオフィス(東大ニューヨークオフィス公式ホームページより)

 

 ニューヨークでは東大ニューヨークオフィスがリニューアルオープンした。米国における東大の活動推進および情報発信を目的として15年に設立された同オフィスでは、運営主体の移行に伴い20年2月より改修工事を実施していた。リニューアルにより、中小規模のセミナーやワークショップなどが開催可能なオープンスペースが新設された。リニューアル後は海外学生向けの大学説明会などが行われた他、22年3月にかけて「UTokyoNYイベント」として複数のセミナー・シンポジウムなどが企画されている。

 

 コロナ禍で対面での交流は減ってしまったが、感染症対策と交流の活発化をキャンパス内で両立させるための整備も行われた。駒場Iキャンパスでは、コロナ禍でもコミュニケーションが取れる場を設けるため、キャンパス整備を実施。夏季休暇中には食堂ホールを開放した他、学生からの意見に基づき屋外の自習・休憩スペースを整備する予定などが発表された。大学側からだけでなく、学生を含めた構成員全体の協働でキャンパスを「つくる」ことを目指している。

 

 

【学生活動】部活動・サークル活動などコロナ制限下でも活発に

 

 コロナで活動が制限される中でも、学問や研究に邁進したり、部活動・サークル活動で成果を挙げたりする学生の姿があった。

 

 3月4日に発表された東京大学総長賞は、20年度の課外活動や社会活動、学業の業績計3件に対し授与された。そのうち総長大賞は、コロナ禍の保健所支援活動、「バーチャル東大」の構築とオープンキャンパスでの公開、同時塩基置換を誘導するゲノム編集技術の開発の3件。全体として、コロナに関連した活動の受賞が目立った。

 

 「バーチャル東大」では本郷キャンパスの東京大学大講堂(安田講堂)や赤門などの名所をバーチャルで歩くことができる。昨年と今年年のオープンキャンパスで利用された他、講演会や五月祭・駒場祭の企画、有志らによるイベントなどが実施されてきた。開発した学生3人は、制作に当たって「来た人が実際にキャンパスを自分の足で歩いたような体験をできるように心掛けました」と話す。受賞後にもエリアの拡大やブラウザ版の公開を行った。今後は「VRの価値」を考え、リアルとは別の価値・面白さを模索していきたいという。

 

 3月に国際人道法模擬裁判アジア・太平洋地域大会で3人のPEAK生からなるチームが日本代表として初の準優勝に。昨年12月の全国大会が初めての模擬裁判で、基本的な用語すら分からない状態からのスタートだったというが、短期間にメキメキと知識を吸収。大会中も「信じられないスピードで勉強を続け、情報を吸収」したという。

 

 部活動での東大生の活躍も見過ごせない。陸上・女子3段跳びでは内山咲良選手(医・6年)が9月18日の日本インカレでただ一人13メートルを超え、日本一となった。6月の日本選手権で入賞した後には「思うような結果を残すことができませんでした」と語っていた内山選手。大舞台で自己ベスト更新を果たした。

 

東京六大学野球・秋季リーグで立教大学に勝利した硬式野球部(撮影・園田寛志郎)

 

 東大新聞が1年を通じ追ってきた硬式野球部(東京六大学野球)は春季に法政大学、秋季に立教大学に勝利。5年ぶりとなる2期連続勝利を挙げた。大量失点が目立つ場面もあったが、春季・秋季共にリーグ最多盗塁で「走る野球」を見せた。

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