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2020年11月16日

【東大総長選考】11月中に検証結果公表へ 他大学有志と連携の動きも

 東大は10月9日、総長選考のプロセスに対する検証委員会を立ち上げる予定であることを、五神真総長名義のメッセージで発表した。11月中には検証結果を出す予定としている。東大で検証が進む中、プロセスに対して疑問の声を投げ掛けた東大教員らは他大学の教職員らと大学の自治尊重を訴える声明文を発表。今後 大きな動きがあるとも予想される総長選考の検証や総長選考をめぐる声について、総長予定者決定後の状況をまとめる。(情報は13日午後6時現在)

 

 東京大学新聞社の取材によると検証委員会の委員を務めるのは、委員長を務める元最高裁判所裁判官の泉徳治弁護士、元検事総長の樋渡利秋弁護士、田中克郎弁護士、菊田行紘弁護士、大河原遼平弁護士の5人でいずれもTMI総合法律事務所に所属。検証に関する業務を担当する東大本部監査課の担当者は「豊富な実績と専門的知見を有する泉弁護士と樋渡弁護士が所属するTMI総合法律事務所に対し、人選を含めて検証を依頼した」と話している。担当者には検証の結果過失があるとされた人物が懲戒処分などを受ける可能性や、過程に問題があった場合に選考をやり直す可能性についても尋ねたが、回答を得られなかった。

 

 五神総長はメッセージの中で「(大学)改革を着実に進めるためには、総長が学内外の皆様の確固たる信頼を基礎としてリーダーシップを発揮していくことが不可欠」とし、今回の総長選考のプロセスを検証しその結果を学内外に共有することが「大変重要」だと強調。求められれば自身も検証委員会に出席して、今回の選考の最中の自身の考えや行動を説明すると表明するなど、全面的な協力姿勢を示した。検証結果は適切な形で公表するとともに、総長選考会議には検証結果を受けての善処を求め、必要に応じて総長の権限に基づいた対応を行うという。

 

 10月2日の総長予定者決定についての記者会見に出席した小宮山宏・総長選考会議長は、今後選考プロセスの検証を行うことで選考会議が一致していると発表。五神総長のメッセージによると、選考会議内でその後も議論を進めた結果、検証は「学内外の公正かつ中立的な立場の人々に委ねて行うのが適当であるとの結論」に達したため、8日に五神総長に対して検証委員会設置への協力要請がなされたという。

 

総長選考会議の小宮山宏議長

 

 今回の総長選考では、議論のブラックボックス化や候補者の属性の偏りなどに関し、一部の教員や部局長、理事経験者らが質問状や要望書を小宮山議長に提出するなど、疑問の声が相次いでいた(表)

 

田中教授ら「大学の自治尊重を」

 

 田中純教授(東大総合文化研究科)ら有志の東大教員6人から成る「2020東京大学総長選考を考える」は11月2日、京都大学、筑波大学など各地で活動する6組織との連帯を表明し、共同ウェブサイトで「全国の大学教職員、これまで大学で学んだ、いま大学で学び、これから大学で学ぶすべての人々への連帯声明文」と題した文書を公表した。声明文では政府の改革により大学が政府の下部組織に追いやられそうになっているなどと指摘。多くの大学の教職員が「恐怖政治のような環境におかれ」て疲弊しているなどとした上で「大学の自治を取り戻し、自由で豊かな研究の場、学びの場を取り戻すために、社会のみなさまからのご賛同を広く募ります」としている。田中教授によると今回の声明文は筑波大学で活動する教職員らからの呼び掛けによって出されたものであり、田中教授らも有志として賛同したという。

 

 京都大学では今年10月に湊長博・新総長が就任。総長選考に当たっては教職員による質問状提出や学生有志による独自の投票が実施されるなどの活動が展開された。

 

 筑波大学でも10月21日に永田恭介現学長の再任が決定。来年度から3年間の任期を満了すれば11年間学長を務めることになる。通算任期の制限を撤廃し、教職員による意向投票も廃止するなど学長や選考に関する制度を大きく変更した上での再任に、批判の声が集まっていた。

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