東大新聞オンラインで9月に公開した記事の9月中のアクセスランキングを調べたところ、1位は連載企画「蹴られる東大」の公開取材イベントで行われた、鈴木寛教授(公共政策大学院)と東大生3人との座談会の模様を伝える記事だった。まずは3人にどのような理由で東大に進学したかを聞き、次いで大学のサポート体制や学生の多様性について議論した。全体を通して「とりあえず東大」の時代は終わり、生徒自らが問題意識を持って高等教育に臨むことの重要性が認識された。東大を蹴って海外大に進学する学生に迫り、これからの時代に東大が取るべき道を探る「蹴られる東大」は、今回で最終回となった。
2位は、厳しいといわれる東大の休講条件を、歴史的視点も交えて考察する記事。大学当局にとって、学生の安全確保と授業スケジュールの双方を考慮した判断は難しく、最終的に授業に出席するかは学生自身が判断する必要がある。
3位には、大学に籍を置いたまま再び大学受験を目指す、いわゆる「仮面浪人」の素顔について、経験者や河合塾本郷校の青木緑校舎長に話を聞いた記事が入った。「仮面浪人」には、併願校の対策をする必要がないため第一志望校の勉強に集中できるというメリットがある反面、その大学に通い続けることになった場合、仮面浪人期に友人関係やサークルを犠牲にしたせいで大学生活を謳歌できないというデメリットもある。
4位は、2020年度から始まる新しい大学入試制度で、東大が英語民間試験の成績を必須の出願資格としないことを報じた記事。センター試験導入以来約30年ぶりの入試制度改革に東大がどのように対応するかが注目されたようだ。新たな出願要件の詳細については、今年12月ごろをめどに公表される。
5位と8位にはラクロス部男子の活躍についての記事がランクイン。3戦連続でチーム初得点を挙げ、日体大戦では4得点を記録した矢野皓大選手(法・4年)の活躍が光った。
6位は、宿題の有用性に迫る記事だった。漢字・計算ドリルなどの覚える対象が明確な習得型と、自由研究などの学習者自身が「問い」を立てて解決する探究型の2種類の宿題を実施することで、後の高等教育でも生かされる高度な学びにつなげることができる。
7位はアルコールが人間の共感を促進し、共感の低下が見られる自閉スペクトラム症の治療にも役立つ可能性があることを伝える記事。実験では共感と脳回路の関係も明らかになり、実用化が期待される。
9位は、学生および若手演奏家を中心としてオペラを上演する団体であるHAMA project(はまぷろ)の秋公演についての記事。職業や大学といった垣根を越えた多様な若者が集まり、時には定番の解釈をあえて裏切るような、新たな演出を披露する。
【2018年9月アクセスランキング】
1 【蹴られる東大⑩】蹴られて当然?東大生もうなずく「とりあえず東大」の終わり
2 東大の休講条件、厳し過ぎる? 東大の休講制度の歴史と背景
4 東大、英語民間試験の成績提出を必須とせず 2020年度実施の入試で
5 ラクロス男子 昨年学生日本一・慶大に快勝 11得点で寄せ付けず
8 ラクロス男子 日体大に勝利し決勝トーナメント進出 矢野選手が4得点の活躍
9 学生の自由が生み出す新演出 オペラ企画はまぷろがドニゼッティ「愛の妙薬」を上演
10 受験の生かし方考えて カリスマ講師・犬塚壮志さんから受験生へエール
※当該期間に公開した記事のみを集計
過去のランキング
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【2018年4月アクセスランキング】連載「蹴られる東大」が人気
【2018年3月アクセスランキング】3/10実施の合格発表に高い関心
【2018年1月アクセスランキング】近藤選手の箱根欠場に注目
【2017年アクセスランキング】まつりさんの記事が今年の年間1位に
【2017年12月アクセスランキング】東大生のSNS事情に高い関心