インタビュー

2016年2月25日

東大生が東京マラソンを駈ける!世界の難民のため、難民の背景を持つ学生とともに

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「難民」という言葉を聞いて、どんなことをイメージされるだろうか?世界的大問題、かわいそうな人たち…色々と出てくるが、日本にいて身近な問題と感じることは少ないのではないだろうか。

難民問題を多くの人に身近に感じてもらうため、日本人の学生と日本にいる難民のバックグラウンドを持つ学生とが一緒になって東京マラソンを走ろう!という学生プロジェクトがある。それが、「難民かけはしプロジェクト」だ。

今回は、難民かけはしプロジェクトのメンバーで東京大学法学部3年の川畑が、共同代表である金井さん(経済学部3年)、周防さん(法学部3年)の二人にプロジェクトへの思いを聞いた。

 

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金井さん(左)と周防さん(右)

-「難民かけはしプロジェクト」はどういうプロジェクトなんですか?

金井:難民かけはしプロジェクトとは、今度の2月28日に行われる東京マラソン2016に、難民問題に関心を持つ学生と、難民というバックグラウンドを持った学生がチャリティランナー制度を利用して挑戦するというプロジェクトです。国連UNHCR協会の公認企画として実施しています。ベトナム難民の二世の学生をはじめ難民のバックグラウンドを持つランナーが3名、僕も含めた日本人学生ランナーが4名走ります。

 

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金井さんと、ベトナム難民二世のランナーであるアンさん

-チャリティランナー制度を利用して走るというのは?

金井:いくつかの寄付先団体から一つを選んで寄付すると、チャリティランナーとして東京マラソンに出場できるんです。国連の難民支援機関UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本公式窓口である国連UNHCR協会が、寄付先団体の一つになっていて、僕たちはそこに寄付しています。寄付は難民キャンプにテントを届けるために使われるので、僕たちが走ること自体が難民支援になる、というわけです。

お金は、東京マラソンチャリティの公式クラウドファンディングサイト Run with Heartを利用し、様々なところに広報をして、広く寄付を募りました。

 

-普段の活動やメンバーについて教えてもらえますか?

金井:週に1回ミーティングをして、今後の広報などについての話し合いや難民問題についての勉強会をやっています。マラソンに向けてのトレーニングの他には、国際協力系のイベントで広報をしたり、自分たちでランイベントや有志の食事会を企画したりしました。

メンバーは、色んな大学の人が集まっています。美大生がデザインを担当してくれたり、専門的なトレーニングの計画を立てる人がいたり、それぞれ長所を生かして活動しています。

 

 

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国際協力団体が集まるイベント、グローバルフェスタにて

 

-このプロジェクトを通して伝えたいことは?

金井:このプロジェクトは、難民のバックグラウンドを持った学生が走るというのが大きな特徴です。難民というと着の身着のまま逃れてきて怖い人と感じている人もいると思いますが、日本で頑張って勉強したり楽しく日々の生活を送ったりしている彼らと接して僕が強く感じているのは、「同じ人間なんだ」ということなんです。

難民問題って遠い問題に感じるかもしれないけれど、まずは日本にも難民はいることを知ってもらい、彼らを通して日本の多くの人に難民問題へ関心を持ってほしいですね。

 

周防:私も、難民のバックグラウンドを持つ学生と接して、全体をただの「かわいそうなひとたち」で片づけてしまうのはちがうのではと感じるようになりました。

ランナーのシャンカイくんはミャンマー難民2世で、食を通じて難民支援をする学生団体を立ち上げ、代表として全国を飛び回っています。難民という立場であっても、このプロジェクトを通して社会貢献をしたり、様々な場で活躍している人もいる、そういうところを伝えたいと強く思いますね。
それから、難民問題を考えるって言ったらどうしてもかたくなりがちなんですが、今回はマラソンという親しみやすい切り口から、より多くの人に身近に感じてもらいたい、というのもあります。

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ミャンマー難民二世のシャンカイさんと一緒に練習する金井さんたち

-東京マラソンの当日は何をするんですか?

金井:難民というバックグラウンドを持つランナー3名、日本人学生ランナー4名が、難民かけはしプロジェクトを応援してくれている人たちと一緒に、42.195kmに挑戦します。プロジェクトの他のメンバーも沿道で応援します。

また、走っている姿をメディアが取り上げてくれる予定で、難民というバックグラウンドを持つ学生と日本人学生が、フルマラソンを挑戦するという同じ困難を、仲間として同じ立場で挑戦するというところに注目してほしいなと思っています。走り終えた後は、ランナーと一般の方が交流できる機会も設けています。

 

-最後に、プロジェクトにかける思いをお願いします。

金井:まずは、7人で一緒にマラソンを走りきれるか不安はありますが、頑張って完走したいですね。「走る」っていう自分の好きな部分とかけ合わせて難民支援ができてうれしく思っているので、絶対に成功させたいです。

僕はフルマラソンの経験は一度だけあるのですが、42.195kmを走りきるのはやはり相当しんどいです。だからこそ、誰かと一緒に走るという挑戦によって、絆が深まると思っています。それから、走るだけで終わらず、難民問題に関心を持ってもらえるよう発信を続けたいと思っています。

 

周防:難民支援と言いますが、支援者という意識はそれほどありません。学生という点では難民というバックグラウンドを持つ学生と同じ立場で、プロジェクトの成功に向け仲間として頑張りたいです。そして、日本の多くの人に難民問題に関心を持ってほしいですね。

難民問題って悲惨な問題とみられがちで、実際そういう面もあるんですが、私たちのプロジェクトでは「難民のバックグラウンドを持つ学生も日本人の学生も仲間として同じ立場で頑張っている」っていうポジティブな面を見てほしいと思っています。このプロジェクトが、多くの人が難民問題を自分事として考えるきっかけになれば嬉しいです。

 


 

難民かけはしプロジェクトホームページ http://nanmin-kakehashi.net/

難民かけはしプロジェクトFacebook https://facebook.com/nanminkakehashi

 

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(聞き手:川畑 真帆 写真提供:難民かけはしプロジェクト)

 

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