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2023年5月27日

2023年春の紫綬褒章 東大関係者4人が受章

 内閣府は4月29日付で2023年度春の褒章を発令し、東大からは三浦篤・元教授(東大大学院総合文化研究科)、苅谷剛彦名誉教授(東大大学院教育学研究科)、高津聖志名誉教授(東大医科学研究所)、岡部徹教授(東大生産技術研究所)の4人が紫綬褒章を受章した。三浦・元教授は近代西洋美術史と日仏美術交流史を専門とし、日仏美術交流を発展させてきた。苅谷名誉教授は教育社会学の分野で学校と職業の関連を研究。高津名誉教授は、アレルギー性疾患の原因となる好酸球の解明に貢献し、岡部教授はチタンのリサイクル技術などの研究成果を挙げてきた。4人は研究功績を賞された。

 

 三浦・元教授は、フランスを中心とする近代西洋美術史と日仏美術交流史を研究。多数の展覧会に監修や学術協力の形で関わり、西洋美術に対する一般の関心を高める活動を行ってきた。日仏美術交流の功績も認められ2015年にはフランス共和国文化勲章のシュヴァリエを受勲している。

 

 苅谷名誉教授は、教育社会学の分野で「学校から職業への移行」の効果を研究。教育と不平等、近代化と日本の教育についても社会学的研究を発展させた。特に出身階層による教育の格差に注目し、教育政策との関係性を独自の焦点から提示した。その業績は社会学・経済学・教育学の諸分野に広く影響を与えている。

 

 高津名誉教授は、免疫学の分野で、医薬品の創出を通して国民の健康増進に寄与してきた。特に、白血球の一種である好酸球の活性化メカニズムを解明し、アレルギー性疾患の新たな治療戦略を切り開いた。喘息(ぜんそく)をはじめとする難病の治療にさらなる貢献が期待されている。

 

 岡部教授は、レアメタルの製錬法やリサイクル技術を研究・開発している。スクラップ(くず鉄など)から高純度のチタン材を再生する手法、有害な廃液を発生させずにレアアースを分離・回収する技術など、世界的にも優れた新技術を提案。これらの業績から、東レ科学技術賞などを受賞している。

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