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文化

2019年11月16日

【100行で名著】 『第一阿房列車』内田百閒

何気ない旅にひそむ妖しさ  旅が好きだ。目的地はどこでもいい。観光地を見て回るわけでもなく、宿に泊まってさっさと帰ってくる。数日間の非日常がうれしい。電車やバスに乗って知らない街へ運ばれる快感は他では味わえないものだ。しかし、いつでも旅に出られるほど大学生は暇も金もない。されど、漂泊の思いやまず……というとき、幾度となく読み返したのがこの本だ。  本書の舞台は敗戦から復興へ
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