「100行で名著」の記事一覧

文化

2022年12月09日

【100行で名著】同性愛者絶滅政策に抗う「王子」 中山可穂『愛の国』

 彼女は天使か、それとも弥勒(みろく)か。  少年のように無垢(むく)な美貌と洗練された振る舞い。自ずと女性に愛される引力を持つ彼女──記憶喪失の主人公が目覚めたのは、ファシズム政権下で同性愛が弾圧された近未来の日本だった。  寺の墓地に行き倒れたところを救った尼僧・静流尼(せいりゅうに)につけられた名は「ミロク」。弥勒菩薩(ぼさつ)とも天使ともつかない彼女はある日、孤立無援で
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