報道特集

2022年5月12日

UTokyo WiFiなぜ落ちる? 対面授業に対する東大生の声は 

 2020、21年度は多くの授業がオンライン中心だった東大。本年度は対面授業を基本とする授業形態となり、キャンパスでは3年ぶりに多くの学生がみられるようになった。対面授業に参加する学生の反応は、そして対面再開に伴ってどのような課題が生じているのか。学生や東大の担当部署に話を聞いた。

 

移動時間の負担増も「不意の出会いに感動」

 

 東大は本年度から、対面授業を基本とする授業形態に移行。前期教養課程ではキャンパスの混雑を回避するため、一部の授業を除き第2回目まではオンラインで授業が行われたが、水曜日の授業の3回目に当たる4月20日からは多くが対面授業に切り替わった。東大は新年度に合わせて対面授業・オンライン授業の取り扱いを整理しており、前期教養課程・後期課程ともに、一部授業はターム・セメスターを通じてオンラインで開講されている。

 

 教育学部3年のAさんは後期課程に進学した本年度から、東大に入学して初めて対面中心の授業形態となった。新型コロナウイルス流行開始直後の2020年4月に東大に入学。これまでもサークル活動で駒場Iキャンパスの施設を利用したり、1年生の頃に必修の対面授業を隔週で受けたりする機会はあったが、本格的にキャンパスに通うのは初めてだ。

 

対面授業再開で客足が伸びた駒場食堂(写真は東京大学消費生活協同組合提供)

 

 現在は、全く授業がない日を除く週4日キャンパスに通学しているという。「オンライン授業だった頃と活動時間はあまり変わりませんが、移動があると体力的に大変です」。Aさんが受けている授業の中には対面・オンライン両方で参加できるハイブリッド形式の授業も多いが、現時点ではほとんどの授業を対面で受講している。オンラインよりも対面の方が集中でき、他の受講者の反応が見えるため安心感があるという。「キャンパスで不意に人に会う機会があることには感動しました」。東京大学新聞社の過去の取材でも、オンライン授業の弱みとして、授業後に自然な流れで起こるはずの雑談の難しさが指摘されていた。

 

全学のネットワーク障害が相次ぎ発生

 

 現在は多くの授業を対面で受け続けているAさんだが、不満を感じる点として①コンセントの少なさ②Wi-Fiの不調ーーの二つを挙げた。授業中にパソコンで資料を見たり、履修によっては学内でオンライン授業を受けたりする場合もあることから、キャンパスでパソコンを使う機会は少なくない。「授業によってはコードを回してくれる先生もいますが、大人数の講義の場合はそうもいきません」

 

ネットワーク障害を伝える東大の公式サイト

 

 Aさんが挙げた二つ目の不満について、東大では4月7、11、14日にいずれも全学規模の学内ネットワーク障害が発生しており、UTokyoWiFiや学内システムにアクセスできない状態が起こっていた。特に14日には3限の授業中である午後1時45分ごろから4限中の午後4時26分ごろまでの3時間弱にわたって障害が続いた。東大の担当者に対する東京大学新聞社の取材によると、7、11日の障害はキャンパスでオンライン授業に参加する人が増えたことなどによるファイアウォールの過負荷が原因。14日については東大のネットワークシステムである「UTNET」の基幹ルータ(各キャンパスからの通信を集約し、東大とインターネットとの通信を中継する装置。情報基盤センターが管理)で耐障害機能が誤作動したことによるものだという。現在はファイアウォールの設定変更による負担軽減、耐障害機能の設定変更といった措置を取っているという。

 

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【記事修正】2022年5月12日午前11時10分 記事タイトルを変更しました。

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