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2017年3月25日

合奏でテンポが速くなってしまう理由を解明 体内のタイミング調節メカニズムが影響

 岡野真裕さん(総合文化・博士3年)らは、合奏のテンポが無意識的に速くなる一因が演奏者の緊張や高揚などの生理・心理的な要因だけでなく、速いテンポに優先的に合わせる人間のタイミング調節メカニズムにあると示した。研究成果は9日付の英科学誌『サイエンティフィックリポーツ』に掲載された。

 

 岡野さんらは今回、メトロノームと同期させた指によるタップのテンポがメトロノームを停止した後にどう変化するか、初期テンポの速さを変えながら1人と2人組の2条件について比較した。1人では加速・減速など多様なパターンが見られたのに対し、2人組では初期テンポの速さにかかわらず8割以上が加速し続け、平均でタップ間隔が約7~9%短くなった。

 

 2人組でテンポを合わせる際、タップ間隔のずれを片方に合わせようと調節する。その際、早いタイミングへの修正が優先的に起きるため、タップ間隔が短くなってテンポが加速すると結論付けられた。今後、安定した演奏実現のための効率的な練習方法や、スキル評価指標の開発を目指す。


この記事は、2017年3月21日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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