部活・サークル

2022年4月27日

ピンと来たらそこに飛び込め! 〜運動会女子部員による座談会〜

 

 運動会所属の運動部への入部を考える際に「女子部員の人数が少ないと聞いたけど……」「運動会って堅そうな雰囲気だけどどうなの?」「勉強との両立はできる?」といった不安を抱く新入生は多いだろう。そこで今回、運動会の現役女子部員3人と卒業生1人の4人による座談会を開催。自身の経験や運動会の魅力を語り合ってもらった。(座談会は3月に行われました) (取材・安部道裕)

 

 

【参加者】※学年は22年4月のもの

・航空部 柴田優里さん(22年工学部卒)

・軟式庭球部 岡田美月さん(文・4年)

・漕艇部 平松きみかさん(文・4年)

・ラクロス部 阿部帆乃香さん(法・3年)

 

決め手は直感「ピンと来るかどうか」

 

──運動会に入った理由は何ですか

 

岡田:小中高と軟式テニスをやっていたので大学でも続けようと思い入部しました。入部してみると女子が1人しかいなくて驚きましたが(笑)。

 

阿部:私は大学まで運動部に入っていたことはなかったです。コロナ禍での入学で友達ができるか不安だった時に、ラクロス部女子の先輩が親身に連絡くださって。また、オンラインでの交流会などがあり、そこに参加するうちに「ここなら友達がたくさん作れそう」と感じ入部しました。

 

柴田:私は、グライダーで空を飛ぶという体験ができるのが航空部だけだったので入りました。高校まではバリバリの文化系で、入部してから「そういえば航空部って運動会だったな」という感じでしたね。

 

岡田:私以外、大学で始める人が多いスポーツということもあり、運動会への出会い方は三者三様ですね。

 

 

──他に迷った部活・サークルはありましたか

 

岡田:高校時代の恩師に「大学入ったら新しいことをやりなさいよ」と言われて、一応文化系のサークルもチェックしたのですが、あまり興味が湧かなくて。やっぱりテニスが好きだったので軟式庭球部にしました。

 

阿部:私は、高校時代の友人と同じサークルに入るつもりで説明会に参加していました。でもピンと来ず「これが本当にやりたいことなのか」と悶々(もんもん)とする日々でした。

 

岡田:ピンと来るか来ないかは大事ですよね。

 

阿部:本当にそう思います。いろいろな説明会に行くと「これだ!」というのが見つかると思います。私はオンラインの新歓に参加した時に、ラクロス部女子の雰囲気の良さというか、みんながお互いを尊敬して尊重していて「本当に良いチームなんだろうな」というのがパソコンの画面越しでも伝わってきました。「ここに入ったらすごく良い大学生活が過ごせそう、良い仲間ができそう」というのを直感的に感じたのが一番の決め手ですね。

 

岡田:部員数があまり多くないために部員同士の絆が強くなるのは女子が運動会に入る魅力の一つですよね。

 

 

──入部前に不安はありましたか

 

阿部:私は「運動会はすごく忙しくて、大学生活をうまくやっていけるのかな」という不安はありました。

 

 

──実際入部した後はどうでしたか

 

阿部:確かにすごく忙しいのですが、やはり「慣れ」ですよね(笑)。活動していくうちに日常の一部になっていって、今や部活がないと変な気分になるほどです。

 

岡田:勉強と両立できるのかなと心配に思う新入生は多いと思いますが、それを理由に運動会に入部することをやめてしまうのはもったいないと思います。

 

阿部:本当にそう思います!

 

岡田:運動会はやめるのが難しいと言われたりしますが全然そんなことないです。「入ってから考えよう」というスタンスで良いと思います。

 

 

──学業との両立はどうですか

 

岡田:余裕です(笑)。むしろメリハリがついてうまくいくというか。

 

平松:生活のリズムが整うから健康的ですよね。

 

 

──柴田さんは既に就活を経験していると思いますが、就活と部活の両立はどうでしたか

 

柴田:航空部は合宿形式での練習が多く、面接の日程調整がうまくいかないことなどはありました。でも時間を見つけてなんとかできましたし、逆に運動会に入っていたことで話のネタができたので良かったなと思います(笑)。

 

航空部自慢の高性能機であるASW24(手前)とLS8-18の前で(写真は柴田さん提供)

 

運動会には心の底から信じ合える仲間がいる

 

──「キラキラの大学生活」は多くの新入生の憧れだと思いますが、私生活はキラキラしていますか

 

平松:どう輝きたいかっていうことですよね。

 

岡田:運動会に入っていても私生活は充実させられるし、部活や試合自体が楽しいから「キラキラ」していると感じています。世間的な「女子大生のキラキラ」に当てはまる必要はないと思いますよ。

 

 

──運動会に入って良かったことは何ですか

 

平松:いろいろありますよね。

 

阿部:私はマネジャーという立場もあり「自分はなんで部活をしているか」をよく考えるのですが、根底にあるのは仲間への尊敬なんですよね。毎日大変な練習をこなした後にみんなと同じように授業に行って、さらにその後トレーニングをしたり、合間には友達と遊んだり。そんな頑張りを近くで見て自分もやる気をもらえるというのが、今私が部活に入って良かったなと思う瞬間ですね。

 

岡田:スランプを乗り越えた同期が勝ったときのうれしさや、共に頑張り抜いたときの達成感などは勉強だと味わえないことだと思います。スポーツをしているからこそ味わえたのかなと。運動会はやはり結果にこだわるので、そこに真剣になれるのは良いことだと思います。

 

阿部:勝ちにこだわるからこそ得られるものってありますよね。

 

平松:ボート競技は「究極のチームスポーツ」と言われていて、チームで1杯のボートに乗ってタイムを競うとなると動きをそろえなければいけない。お互い本音を突き合わせないとどうしてもうまくいかない部分が出てくるんですよね。相手も自分も妥協なしに努力する、それをお互い心の底から信じる、競技や記録に真剣になれるというのが運動会の一番の魅力だと思っています。

 

柴田:サークルは2年で一区切りつくものも多いと思いますが、運動会は4年間かけて他の部員との関係を築けて、かつ自分の成長を突き詰められますよね。他にも実務的な面で勉強になることが多かったです。サークルと比べて、運動会はOB会や大会運営組織などの外部との関わりが多いと思います。渉外メンバーを見ていると、社会に出る上で必要なスキルが身に付いて、人間的に成長していました。

 

昨年12月荒川で、現役の女子漕手4人そろっての舵手付きフォア(写真は平松さん提供)

 

人数の少なさは悪いことばかりじゃない!

 

──人数が少なくて苦労することは多いと思いますが、逆に人数が少ないからこそ良かったことはありますか

 

岡田:指導者の方が多い時もあるので、個別指導みたいになります(笑)。成長するには抜群の環境ですね。

 

平松:私たちもパーソナルトレーナーみたいな感じで手厚く指導してもらえます(笑)。あとボートの数には限りがあるのですが、女子なら確実に乗れます。

 

柴田:グライダーは日が出ている時間しか飛べないので、人数が多いと一人当たりの練習できる時間が少なくなってしまいます。人数が少ないと練習できる時間が多くなって良かったですね。

 

 

──最後に新入生に向けてのメッセージをお願いします

 

岡田:「好きに正直に」。人数が少ないなどの環境面の課題はありますが、そこは運動会全体で変えていく努力をしているので、安心して入ってほしいと思います。

 

阿部:部活に入るとなると、いろんなことが頭をよぎり不安になると思いますが「一回やってみる大切さ」を伝えたいです。やってみないとどうなるか分からないし、今まで見えなかった新しい自分が発見できると思います。

 

平松:「合う合わない」「できるできない」は実際にやってみないと分からないし、やってみたら思ったより楽しいかもしれないです。新入生はいろいろ悩むと思いますが、それはほどほどにというか。実際に私たちはなんとでもなってるし、手伝いはいくらでもするので、飛び込んでみてほしいなと思います。

 

柴田:私も人数や、活動自体の負担の面が心配でした。でも逆にそういった環境で成長する人もたくさんいるし、互いに助け合う環境が運動会にはあると感じます。スポーツを楽しみつつ、人間的に成長する場である運動会で、大切な仲間を見つけてもらえたらうれしいです。

 

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