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2016年9月13日

「医学系論文に不正」 東大が匿名の告発状2通を受理し予備調査を開始

 東大は8月22日、東大の4研究室による医学系の論文11本に不正があるとする匿名の告発状を受理した。9月1日にも2研究室による医学系・生命科学系の論文11本の不正を指摘する新たな告発状を受理。東大は受理当日からそれぞれ予備調査を開始している。

 

 開始から原則30日以内に予備調査の結果を出し、不正の疑いが認められた場合は本調査を実施する方針。朝日新聞など一部報道機関は、8月22日に受理した告発状で教授が名指しされていたと報じているが、本部広報課は東京大学新聞社の取材に対し「名前や所属は教えられない」と回答した。

 

過去にも不正疑惑が

 

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 東大では、今回疑われている医学系の分野で何度か不正疑惑が発生している(図)。例えば12年、森口尚史元特任研究員(医学部附属病院)がiPS細胞を用いた研究成果を捏造 したとして、東大は森口氏を懲戒解雇した。

 

 東大は14年に「研究倫理アクションプラン」を策定、研究倫理推進室など意識向上を図る学内組織を設置し、不正の再発防止に努めてきた。同年には医学部の学生有志5人が公開質問状を提出するなど、学生からも東大の研究姿勢に対する疑義が出ている。

 

2016年9月16日9:00 【記事修正】 アルツハイマー病研究「J-ADNI」が現在も不正疑惑の残る研究であるかのような記述がありましたが、同研究では第三者委員会の報告で「改ざん」や「不適切に修正」されたデータは存在しない旨が報告されています。そのため、本文中・表中のJ-ADNIに関する記述を削除しました。同研究はアルツハイマー病の根本治療実現を目的に脳の老化過程の「自然経過」を研究するもので、データベースが1月から公開され、アルツハイマー病治療薬開発の実現に向けて、活用が始まっています。

 


この記事は、2016年9月13日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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