学術ニュース

2019年5月17日

ぜんそくの悪化を抑える因子発見

 前原都有子さん(農学生命科学研究科博士課程=当時)らはプロスタグランジンD2(PGD2、2は小文字)という物質がぜんそくの悪化を抑えることを解明した。PGD2の信号を媒介する物質を狙った新薬の開発が期待される。成果は4月25日付の米科学誌『FASEBジャーナル』に掲載された。

 

 ぜんそく悪化の原因の一つが患者の肺組織や血中で増える好酸球。現在治療には炎症を抑えるステロイド剤などが使われるが、効果には個人差がある。患者の肺組織ではPGD2が多く検出されることが知られていたが、病態への影響は未解明だった。

 

 前原さんらは実験で、PGD2を作れないマウスでは好酸球を呼び寄せる腫瘍壊死因子などが正常なマウスより多く発現し、ぜんそくが悪化したことを確認。PGD2の受容体を刺激する薬剤やPGD2の代謝産物と思われる物質の投与で症状が改善された。

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit
koushi-thumb-300xauto-242

   
           
                             
TOPに戻る