INTERVIEW / FEATURE 2016年2月17日

好きなものをバカにされたくないなら、やるしかない。大石蘭さんインタビュー2

前回から読む) 「自分を変えたい」という強い気持ちで、低偏差値から東大合格を果たした、ロリータ少女の大石蘭さん。実際に入ってみた東大は、福岡で育った大石さんの目にどのようにうつったのでしょうか。”東大生っぽくない”大石さんの視点から見えてくる東大生の”東大生っぽさ”とは?


二次試験まで残り8日となりました。「東大生が受験生に伝えたいこと」をコンセプトに行っている受験生応援記事。今回は、2014年3月に公開した大石蘭さんのインタビューを再掲します。

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―― 大石さんは、もう学部は卒業して、大学院に在籍されていますよね。あこがれの東大での4年間は、いかがでしたか?

大石 いやー……たぶん学部の4年間が私の人生で最大の黒歴史だと思います。

―― えっ(笑)。

大石 あこがれの東京に出てこられたのはいいものの、自分のやりたいこともそこまでは固まってはいなかったし、交友関係だけが一気に広がってしまって、とまどいました。私、大学に入るまでケータイすら持っていなかったので(笑)

――大学でできた友達というのは、福岡にいたころの友達とはぜんぜん違いましたか?

大石 というか、そもそも友達が少なくて、今まで大勢でいっしょに遊ぶことがなかったので、それだけで新鮮でした。周りにとってはわりとそれが当たり前のような感じで、ちょっとショックも感じましたね。みんな中高生のころにちゃんと「青春」しているんだなあと。

―― それはショックだったんですか。

大石 カルチャーショックって感じですね。東大って、「青春」してても入れる人たちがいるんだと。わたしはものすごくまじめに、絵や文章を書くのもしばらく封印して、一生懸命勉強しないと入れなかったんです。一日何時間勉強するとか細かくスケジュールを立てたり、自分の気持ちをストイックに持っていかないと入れなかった。でも「そんなことしてないよ」という人が結構いてびっくりしました。むしろ、なんでそんな大層なことと考えていたの、と驚かれるというか。たしかに、スタート地点が違う人っているんですよね。東京の進学校の人にとっては、東大に入ることは努力しだいで現実的にありえることで、田舎の受験生とは精神的なハードルが全然違う。

 

妄想娘 書影-thumb-540x770.jpg

『妄想娘、東大をめざす』(幻冬舎)3月20日発売

 

―― 前回、受験をダイエットにたとえていましたが、それで言うと、ようは最初から「モデル体型」の人たちってことですよね。

大石 そうです。私みたいに、もともと「ぽっちゃり体型」の人は、その差を埋めないといけないわけで。 受験の話に戻りますけど、受験生には、まず自分の実力を知ることをおそれないでほしいなと思っています。東大を受けたいとは言うのに、ぜんぜん模試を受けない人って、すごく多いんですよ。模試をちゃんと受けて自分の実力を思い知って、恥ずかしがらないで相談する。私も友達は少なかったですが、そのぶん予備校の先生や職員さんに沢山相談していました。それでハジをかくことも多いんですけどね。 勉強にかぎらず、自分をさらけだすことが、道をきりひらく第一歩だとつよく思います。

―― いろいろなカルチャーショックがあったということですが、逆にエミリーテンプルキュートの洋服で学校にやってくる大石さんに対して、まわりが驚いていたりはしなかったですか?

大石 それなんですけど……じつはわたし、ロシア語クラスだったんですね。

―― ああ(笑)。個性的な人が集まると噂される……。

大石 まわりも奇人変人の集まりだったので(笑)、そんなに驚かれたり、浮いたりせずに学校生活を送ることができました。「ランランワールドだね」なんて言われることもときどきはありましたが。

―― 「ロリータ×東大生」ということで、個性的な東大生の代名詞として語られることの多い大石さんから見て、この人はもっとすごい!と思う東大生はいましたか?

大石 やっぱり私の場合、個性的なファッションの人に目をひかれるんですが、すごく派手な民族衣装を着てきたり、スナフキンのような格好をしたりしている人がいるのを見つけて、すごくうれしかったですね。自分と同じ、ひらひらとした服を着ている友達はできなかったんですが、ファッションで自分をあらわそうというスタンスの人がいることだけで、東大にきてよかったなと思いました。しかも、そういう目立つ格好をしている人が、成績が良かったり、授業を最前列で受けたりしているわけですよ(笑)。

―― あー、わかりますわかります。わたしのクラスにも、書生のようなファッションと番傘で登校してくる女の子がいたんですが、最前列だし、成績も優秀だし、バイトもサークルもがんばっていてすごいなあと思っていました。

大石 やっぱり自分の好きな格好をしているぶん、それに恥じないようにがんばる、というのはあるかなと思います。私の場合は、受験勉強でも、東大での生活でも、自分の好きなお洋服をバカにされたくないという気持ち、エミリーの顔に泥を塗りたくないという気持ちが大きく支えになりました。

―― かっこいいですね! 学部での生活を振り返って、一般的な東大生と、自分に共通すると感じるところはありますか?

大石 個人主義とまではいかないけど、自分がいいと思ったことがあると他人の意見は気にせずにつっぱしる人は多くて、そこは私も「東大生っぽい」のかもしれないです。そういう意味では、集団が苦手な私も、楽しく学生生活を送ることができました。

ran2-2.JPG 次回、東大受験と文筆業には、じつは共通点があった。大石蘭さんインタビュー3   大石蘭(おおいし・らん) 東京大学総合文化研究科に在籍。雑誌研究のかたわら、女性向けカルチャー誌『spoon.』などで絵や文章を執筆。絵や文章を書くのが大好きな妄想少女だった自分が、いかにして東大合格をはたしたかを描いたコミックエッセイ『妄想娘、東大をめざす』が3/20に発売。3/18〜3/22には、原宿のカフェ・シーモアグラスで『妄想娘』原画展も開催。 Twitter:https://twitter.com/wireless_RAN ブログ:http://fatale.honeyee.com/blog/roishi/

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