INTERVIEW / OBOG 2014年7月15日

【東大卒起業家インタビュー】「失敗した人を責めない」グノシー支える企業文化

「3分でまとめ読み」をうたい文句にウルトラマンがでてくるニュースアプリ「グノシー」のCMは記憶に新しい人が多いだろう。このアプリを提供するグノシーを率いているのが福島良典さんだ。工学部の同級生の関善史さんと吉田宏司さんと共に大学院在学中にグノシーを立ち上げた。 IMGP9534 _2.JPG「グノシー」が提供するニュースキュレーションとは、多くのニュースを一つに集約するサービスのことだ。特に閲覧履歴から個人に興味があると思われるニュースを独自のアルゴリズで選定する点が特徴だ。 グノシーが最も重視しているのは行動履歴などの利用者のデータだ。アプリの完成度は必ずデータに反映される。特にスマートフォンでは手軽さ故にデザイン、処理速度など利用者の細かな感覚に関わる要素が空き時間に使ってもらえるかどうかに大きく影響する。利用者の感覚をアプリの作り手の推測で決めつけず、数値をみて試行錯誤を繰り返す。 また、グノシーには「失敗した人を責めない」文化があるという。アプリの改善のためには、配信するニュースの数などのデザイン変更を繰り返し、その度に利用者の反応を得ていく必要がある。しかし、変更は必ずしも上手くいくわけではない。こうした「前向きな」ミスは責めずに、決断できる人を尊重したいと福島さんは話す。 福島さん自身も決断が遅れ後悔したことがある。グノシーの起業に踏み切れず、迷っているうちに他社に先にアプリを出されてしまったことだ。「やりたいならやればいい」。学生だった昔の自分にそう伝えたいという。 今、「グノシー」は400万ダウンロードを超え転換期にある。アプリの質は細かい点を改善するためにかけた時間に比例する。質の高いアプリを作るため人数を大幅に増やすことを決めた。採用したいのは、利用者のデータに対して意見を変えられる素直さを持ちながらも、明確なこだわりを持って仕事に取り組める良い意味で矛盾した人だ。 IMGP9518_1.JPG 現代は情報があふれていて個人にとって必要な情報にたどり着くのは時間がかかる。必要な情報がすぐに手に入るサービスを作り検索のための無駄な時間や労力をなくしたい、という思いからグノシーを創業した。 創業から現在に至るまで、一人では折れてしまうような困難に直面したときも創業メンバーの三人で支え助けあってきた。その他にも、助けてくれる友人や尊敬できる仲間に出会えたことが、東大で得た最も大きな収穫だという。 今後は海外展開を進める予定だ。すでに英国や米国ではサービスの提供が始まっているが、今は利用者の反応をみる段階。多くのサービスでは、利用者に受け入れてもらうために国別に変更を加える必要があり、現地での定着には時間がかかる。しかし好みのニュースを届けるというサービスはニュースの内容を変えるだけで世界に通用し、ほぼそのままの形で「グノシー」を広めていけるかもしれないという。 「情報取得に革命を起こしたい」。グノシーの挑戦は続いていく。 福島 良典(ふくしま よしのり)さん 株式会社グノシー 代表取締役 共同最高経営責任者 13年工学系研究科修士課程修了。11年にグノシーのサービス提供を開始し、12年に法人化、代表取締役に就任。

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