COLUMN 2014年3月7日

女子アナになれるミスキャン、なれないミスキャン 霜田明寛の就活十番勝負1

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 「あいつはカワイイから通ったんだ……」 就職の選考に落ちると、”自分にはなくて、他人が持っているもの”のせいではないかと考えてしまいがちです。でも、選考というのは多面的に人を見ているので、かわいいとかそういった目立って見える要素だけが理由じゃないことがほとんどです。

 その証拠に「ミスキャンパス」について考えてみましょう。学園祭などで開催された「ミスコンテスト」の優勝者ならば、そのかわいさから、どこからでも内定がもらえるでしょうか?実際にはそうではありません。 そうは言っても、ミスキャンから「女子アナ」になった人はたくさんいるじゃないか……と、思うかもしれません。確かに、中野美奈子、竹内由恵、田中みな実……と、過去の例を挙げるまでもなく、ミスコンは女子アナの登竜門のように思われています。

 でも、この4月にキー局に入社するミスキャン出身のアナウンサーは3人のみ。一方ミスキャンは、大学のミスコンの優勝者、準ミス、ファイナリストまで含めると、毎年全国で数百人単位で量産されています。 しかも、4月に入社予定の3人は、誰もが思い浮かべる慶應、青学、上智ではありません。うち2人は、関東圏の大学ではないのです。

 つまり、アナウンサーを志望したものの「女子アナになれなかったミスキャン」は、有名大学にもたくさん存在するのです。 自己紹介が遅くなりましたが、僕は早稲田大学で就活講座を担当している霜田明寛と申します。マスコミ就活に関する本を2冊書いています。さらに、ライターとしてミスキャンパスについての連載を持っていて、毎週のようにミスキャンを取材しています。

 そんな僕が、自分の専門を存分に活かし、女子アナになれたミスキャンと、女子アナになれなかったミスキャンを分けるものが何なのかについて今回は書きたいと思います。意外なことに、両者を分けるポイントから、どんな職種の面接でも重要になるアピールの仕方が見えてきました。

 面接が苦手という方、ぜひ最後までお読みください! 自分のかわいさが80点でも、50点だと思っている人 女子アナの面接で好印象を与えるのはどんな人でしょうか?それは「自分のルックスが80点でも、50点だと思っている人」です。つまり、自分を過小評価しているタイプが残ります。 また、もし、ホントは自分のことを100点だと思っていても、面接の場で相手に、「このコは自分を50点だと思っているなぁ」と思わせたら勝ちです。

 つまり、50点として振る舞える技術があればよいのです。これらの事実は意外に思えるかもしれません。 「自分がかわいいことに気づいてしまっている若い女」というのは、嫌われてしまいがち。特に相手が年を重ねた女性ほどその傾向は強くなります。「じゃあ田中みな実(準ミス青学 → TBS)はどうなんだよ!」と思う人がいるかもしれませんが、彼女は「自分が100点だと思っている女子」のキャラに徹し成功した、尊敬に値する特例ですので、今回は除外します。

 では、どうすれば面接で「50点だと思っている」ように振る舞えるのでしょうか。ポイントは大きく3つあります。

1.自分のマイナスの話ができる

 ミスキャン「なのに」お高くとまっていない感じがすると、好印象を与えます。 実際、今年キー局に女子アナとして入社するミスキャンのうちの1人は、僕のところに就活相談に来たときに、「自分に自信がない」という話をしていました。もちろん、はたから見たら、自信のありそうな、完成された美人顔なのに、です。いかに自分に自信がないかを語り続けるその姿は、「自信があるから」ミスコンテストに出たのではなく、「自信をつけるために」出たかのようでした。

 そこで、面接では、「自信がなくて、その穴を埋めようと必死にがんばった自分」を語るようアドバイス。彼女からは「驚くほど食いつきがよくなった」との報告が。 面接で自信がないなんて言うのは、NGに思えるかもしれません。ですが、多くの就活生が自分を良く見せようとするPRしている中で、マイナスの話をするのは目立ちます。目立つというのは、特に倍率が高く、ひとりひとりが埋もれがちなマスコミの選考などでは重要なことです。

 さらに、男たちには『源氏物語』『痴人の愛』『野ブタをプロデュース。』と、古来から脈々と”女子を自分の手で育てたい欲”が存在します。この、ミスキャンの自信ないPRは、多くのバカな男たち(面接官および僕を含む)に「オレが自信をつけさせてあげなきゃ!」と思わせることができるのです。

2.野心の量が適度

 アナウンサー試験においては、意識しなければいけないポイントがあります。それは、「アナウンサーとタレントとの境界線」です。実際、お天気キャスターとしてすでにテレビに出たことがあるのに、アナウンサー試験を受けたら落とされた、なんて例は山ほどあります。 そこで注意すべきは「野心の出し方」です。いかにテレビ出演者として優れていようとも、面接官に「こいつタレントでいいや」と思われたら終わり。野心がありすぎると、タレントとしてやっていけると判断されてしまうのです。

 逆に、野心がない女子に対しては「この図々しさが足りない子羊は、このまま芸能界というジャングルにタレントとして放ったら、他のライオンに食い殺されてしまう!会社という安全な牧場の囲いで守ってあげなきゃ!」という意識が働きます。 もちろん、人前に立つ仕事ですから、ある程度の野心は必要です。でも、あくまでアナウンサーの仕事は、自分が主役ではないサブの仕事です。主役は、情報だったり、共演する他のタレント。「人を押しのけて、何が何でも」というほどの野心はいらないのです。

3.したたかさとピュアさのバランス

 どんな世界でも、生き残っていく上では、したたかさは必要なもの。「こんな言葉をかけたら、相手はこう動くだろうな」とか、「この人の心をつかんでおけば得だな」といったことは、女子アナでなくても考えます。でも、「したたかさ100%」になってしまうと、それは単なる嫌なヤツです。

 ある有名大学のミスキャンで、どの局でもいいところまで行くのに、アナウンサーになれなかった人がいました。彼女と一緒にミスコンに出ていた他の女の子によると、「あの人は、ミスコンのリハーサルで私が言ったことを、本番になっていきなり自分の話としてするような女」だそうです。ミスコンではごまかせたかもしれませんが、さすがに面接ではその人間性がにじみ出てまったということでしょう。

  一方、内定をもらうコは、したたかさはあっても、どこかにピュアさがにじみでています。試験会場で言う「みんな、一緒に頑張ろうね!」の言葉が本気です。逆に、したたかさ100%のコは、控室に人事担当社員が入って来た瞬間を見計らってその言葉を言うのです。きゃー怖い! 100%ピュアになってしまうとそれは単なる”バカ”なのですが、女子アナになるコは、したたかさとピュアさの割合がせめぎ合った上で、ギリギリ、ピュアさが勝つようなバランスの子が多いです。

  このピュアさは、”社会への愛”とも言いかえられます。彼女たちは、自分のことだけを考えてしまいがちな就活時期においても、どこか、周囲のことや、ひいては社会のことを考えています。彼女たちの志望理由には「自分が働きたい!」だけではなく「自分が働いたらこの社会にどんなプラスの影響を及ぼせるか」という視点が入っているのです。

  女子アナという、自意識の強そうな職業に就こうとしているので、もちろんみんな”自分のために”もある。でも、”社会のために”を同時にちゃんと考えられているコに、若くして、テレビという大きな社会の舞台に立つ資格が与えられるのです。 こうしてアナウンサーの面接についての話をしてきましたが、この「自分のxxxが80点でも、50点だとして振る舞える」というのは、就活で勝ちまくる人、ひいてはその後も自分の理想の人生をおくっていく人に共通した傾向でもあります。

 ヨーロッパのことわざにこんな言葉があります。 「成功の方法がひとつあるとすれば、阿呆のように現れて、利口に振る舞うことだ」 就活という社会に現れようとする瞬間。自分を先に小さく見せておくことは、実は、長い目で見れば、生き残るために必要なことなのです。

POINT

  • 自分のマイナスの話をすすんでする
  • 人を押しのけないけど、自分が押しのけられない程度の野心を持つ
  • 「自分のため」だけでなく「社会のため」も考えよう

 

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霜田明寛 (しもだ・あきひろ) 1985年生まれ、東京都出身。国立東京学芸大学附属高等学校を経て、早稲田大学商学部を卒業。2008年の大学在学中に、第四回出版甲子園準グランプリを受賞し、執筆活動を始める。雑誌記者・ライターとして活動する傍ら、『夢をかなえるゾウ』著者の水野敬也氏に師事し、『テレビ局就活の極意 パンチラ見せれば通るわよっ!』『マスコミ就活革命(レボリューション)~普通の僕らの負けない就活術~』の著書を出版。 その後、就活生相談や全国の大学からの講演依頼が殺到。アナウンサーをはじめ、テレビ局、出版社、広告代理店など、マスコミを中心に多くの就活生を送り出す。2013 年からはPR会社に勤務する傍ら、早稲田大学で就活講座を担当。主宰するセミナー『就活エッジ』も好評を博している。

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