COLUMN 2016年8月6日

【東大ゴルフ部寄稿】リオ五輪「ゴルフ」の見どころ

写真はゴルフ部提供
写真はゴルフ部提供

 

 五輪のゴルフ競技においてまず話題に上がるのが、「112年ぶりの復活」。その言葉通り、夏季五輪のゴルフ競技は1900年と1904年にのみ開催された後長らく姿を消していたが、今年実に112年ぶりに正式復帰を遂げる。世界的に見た競技の人気度合いと、さらなるゴルフの世界各地への発展を考慮しての復活だ。

 

 競技方式は過去にも採用されていた男子個人と女子個人。双方とも4日間、72ホールのストロークプレーで争われる。選手は世界ランクをもとに決定された「オリンピックゴルフランキング」の順番により決定され、原則としては各国男女2名ずつ(世界ランク上位の選手がいる場合各国男女4名ずつまで)、合計男女各60名の世界トップクラスの選手が出場する。日本からは男子がベテランの片山晋呉選手と選手会長を務める池田勇太選手、女子は日本を飛び出しアメリカツアーを主戦場に戦う野村敏京選手と、こちらもベテランの大山志保選手が出場する予定だ。わざわざ五輪競技のために新設された試合会場において、男子:8/11~8/14、女子:8/17~8/20の日程で熱戦が繰り広げられる。

 

 このように盛り上がりを見せるゴルフ競技だが一つの懸念材料がある。本来出場資格のあった選手が続々と出場を辞退したことだ。特に男子は世界ランク1位のジェイソン・デイ選手(豪)を含む世界ランク上位4人が出場を辞退。日本人の中で世界ランクトップであり、メダル獲得も期待された日本のエース松山英樹選手も残念ながら出場を見送った。

 

 彼らがそろってあげた理由が蚊に刺されることで感染する「ジカ熱」のリオデジャネイロでの流行と、現地の治安、そして試合の過密日程だ。特にワクチンの存在しないジカ熱は、家族をもつ選手などにとっては懸念材料であり、野外で行うゴルフ競技への影響を不安視する選手は多い。また、五輪の開催直前には4大メジャーの最終戦である全米プロゴルフ選手権、直後には年間のツアー王者を決めるためのプレーオフシリーズがそれぞれ待ち構えている。この時期を五輪に出場するより、休養にあてて重要な試合に専念したいというのが選手の主張だ。長い間五輪という試合がなかったために、高額賞金のかかる4大メジャーやプレーオフこそが重要だと考える選手と、国の代表としてメダルを争う五輪に意義を見出す選手とで見解が分かれてしまった形になる。

 

 一方で女子の出場辞退者はほぼゼロ。ある女子選手からは、「女子に比べ倍額近い賞金が各試合にかかる男子は五輪出場に価値がないと考えている。でも国の代表として名誉のために戦わないのは恥ずべき事」と批判があるとかないとか。

 

写真はゴルフ部提供
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 全員揃った世界トップ同士の争いとはいかないのが残念だが、それでも五輪のゴルフ競技が見逃せない試合であることには変わらない。ここからは注目すべき選手たちについて、簡単にではあるがご紹介しようと思う。

 

 まず男子の注目選手は、バッバ・ワトソン選手(米)。世界屈指の飛距離を持つパワーヒッターである彼は世界ランク5位であり、今回出場する選手の中では最も高いランクを持つ実力者である。4大メジャーの一つであるマスターズも過去に2度制している。対抗する選手の筆頭は非常に堅実なゴルフを持ち味とするヘンリク・ステンソン選手(スウェーデン)。直前に行われたメジャー大会の全英オープンを制しており、万全の調子でリオ五輪を迎える。爆発力のある攻めのゴルフが魅力のリッキー・ファウラー選手(米)にも注目したい。

 

 一方女子の注目は韓国勢だ。近年世界最高峰であるアメリカ女子ツアーは韓国勢が席巻しており、世界ランクトップ10のうち半分は韓国の選手。その中でもトップのランクを誇るパク・インビ選手を筆頭に4名が今回出場する。彼女たちに男子プロ顔負けのパワーを誇るレクシー・トンプソン選手(米)、そして世界ランク1位のリディア・コ選手(ニュージーランド)がどう立ち向かうかが見どころだろう。

 

 「リオ五輪から持ち帰れるものは全て持ち帰りたい」。出場決定後の池田勇太選手の言葉だ。4年後に控える東京五輪、そして未来に向けてゴルフ競技がどれだけの重さを持つのか。今回のリオ五輪はそれが試される、ゴルフ界にとって非常に大きな意味のある大会となる。2020年の東京五輪の試金石となる復活初戦という意味でも、もちろん世界最高峰の実力を持つ選手たちのメダルと名誉をかけた真剣勝負という意味でも、見逃せない大会になることは間違いない。

 

東京大学ゴルフ部

谷口俊介

 

【団体のホームページ】

ホームページ(http://todaigolfteam.web.fc2.com/)

 

 

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