COLUMN 2019年10月31日

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)東南アジア編① 期待を胸にカンボジアへ

 今から約1年前の4月14日。私は初めての海外生活に向け、日本をたった。出国ギリギリまで何かと忙しく、一人暮らししていたアパートを引き払ったのは出国日当日。両親に見送られ、最寄り駅から成田空港行きの電車に飛び乗った。

 

成田空港から乗った飛行機。タイで乗り継ぎ、カンボジアへ向かった。

 

 海外滞在の目的は、カンボジア・シェムリアップでの半年間のインターンシップと、タイ・バンコクでの4カ月間の留学だった。これまで海外経験はさほど多くなく、最長でも2週間しか滞在したことがなかった私にとって、今回の旅は大冒険だった。

 

 1年間大学を休学し、海外渡航の決断をした理由は、端的にいうと「その方が人生面白い」と思ったから。正直渡航を決めた時期はかなり遅く、出発の半年前あたりに「海外に行っちゃおうかな」と思い始めたばかりだった。

 

 もともとは大学をストレートに卒業する予定で、大学3年次の夏休みから就職活動を始めた。気になっている業界のインターンシップに複数参加し、自分が社会に出て働く姿がそれなりに想像できるようになってきていた。

 

 しかし一方で「このまま社会に出ていいのかな」という不安も生まれた。もっと広い世界を見てから、自分の将来について決めたくなったのだ。幸い留学中の友人や留学経験者の先輩が身近にいたので話を聞いているうちに「学生の間に海外に行った方が絶対に面白い」と思い始めた。それに、私が志望していた業界では、入社後しばらくたたないと海外勤務は難しいことも、海外留学を考える一つのきっかけとなった。

 

 そしてついに留学を決断し、大学3年次のお正月に帰省したタイミングで親に「留学したい」旨を伝え、留学先を探し始めた。当初はもともと好きだったタイへ留学し、その後東南アジアの別の国でインターンシップをする計画だった。

 

 周囲に海外へ行くことを伝えると、もともと働いていた長期インターンシップ先の上司が、カンボジアの企業を紹介してくれた。企業の名は「クルクメール・ボタニカル」。日本人の女性・篠田ちひろさんがカンボジアで起こした会社だ。カンボジアの伝統医療をもとに、地産のハーブを使ったお土産の製造・販売や観光客向けのスパ運営を行っている。現地の産業を育て、雇用の創出を目指すといった、ソーシャルビジネスの側面もあった。

 

 クルクメールの企業理念に共感した私は、計画を変えまずカンボジアで半年間インターンシップをすることを決意。篠田さんと連絡を取り、現地で働かせてもらうことになった。

 

滞在先の一つ、シェムリアップはアンコールワットで有名な街だ。

 

 初めて行く国で、初めて海外に長期滞在する。それでも、不安よりもまだ見ぬ世界へのわくわくの方が大きかった。「これから何が起きるんだろう」。新たに始まる生活への期待を胸に、飛行機の窓から景色を眺めていた。


この記事は2019年4月30日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

ニュース:東大に採用を白紙撤回された教授の思い 採用手続きの改善を
ニュース:初戦で帝京大に勝利 アメフトオープン戦 後半失速も逆転許さず
ニュース:硬式野球早大戦 2戦で5被弾 打線も沈黙
ニュース:世界初 窒素と水からアンモニア合成
ニュース:労働契約への意識課題 内定白紙撤回 法人化前の名残か
ニュース:患部に薬届けるナノマシン開発
企画:論説空間 近代の天皇の歩みとこれから 象徴的行為の継承へ 山口輝臣准教授(総合文化研究科)寄稿
企画:浮かび上がる多様な文脈 「令和」にまつわる漢籍を基に考察 齋藤希史教授(人文社会系研究科)寄稿
世界というキャンパスで:分部麻里①東南アジア編
飛び出せ!東大発ベンチャー:匠新
100行で名著:適応か、抵抗か 『砂の女』安部公房著
キャンパスガイ:杉山博紀さん(総合文化・博士2年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。

同じ記者の記事

関連記事

合わせて読みたい

COLUMN 2018年06月04日

【日本というキャンパスで】劉妍② 区の行政文書に留学生の視点

INTERVIEW / OBOG 2014年06月13日

「『東大生思考』を捨てよ!」 ボルテージ津谷会長からのメッセージ

NEWS 2015年12月01日

東大ニューヨークオフィス開所式

INTERVIEW / FEATURE 2015年07月23日

東大生のクラウドファンディング。海外映画祭への出品を目指して

COLUMN 2014年06月12日

【紙面より】東大生のイギリス大学院留学について

TOPに戻る